ひさろぐ分館

分けて書きたい用

「演劇業界の皆さんへ 君たちは本当に当日券を売るつもりがありますか?」の回

タイトルが全てです。
以下、仔細についてネチネチと文句を言っていきます。

 

何があったかといいますと

原作ファン(Aさん)「みんなが絶賛しているのでチケットを買いに来たけど、目の前で売り切れてしまった🥲」

 

先日、2.5演劇作品についてこんな類のツイートを見かけました。その作品は初日からとても盛り上がっていて、特に原作ファンからの「観て良かった」「原作へのリスペクトがすごく伝わった」という評価で、TLが連日賑わっていました。

 

ツイートしていた方は演劇はおろか、ライブなどにもあまり縁がないタイプで、チケットの買い方がよく分かっていないご様子。見かねた演劇ファンのBさんが、善意で「公式サイトのここに当日券の記載がありますよ、まだ観れるチャンスはあります」と丁寧に教えてくれていました。

しかしながらその時既に公演3時間前、Bさんのリプに対して質問があったようで、Aさんは慌てている様子。一方、BさんはいつどのタイミングでTwitterを見てるのかちょっと分からない。逡巡の後、私の方から横入りで「当日券でよければ劇場の窓口で買えます!(超要約)」と補足しておきました。

 

というのも、Aさんが買おうとしていたのは、正規ルートで割引チケットが手に入るTKTSの取り扱い分であり、劇場で買える一般的な当日券とは別のチケットでした。これは格安な代わりに取り扱い枚数が少ない為、公演日当日の朝というタイミングでは売り切れていることが多いものです。このチケット情報は数日前に「観劇を検討している人の後押しになれば」と思い、Twitter上で私が広めたものでした。要は「当日券の仕組みを知らない人が、真っ先にTKTSのチケットをアテにしてしまったため、危うく観劇予定がパァになりかけた」という状況でした。そうですつまり半分くらいは私のせいです!!マジでごめん!!!!!

 

結局はご友人が運良くチケットを余らせていたとのことで、当日券窓口に並ばずとも無事にご観劇なさっていました。良かった良かった。

 

 

なんにも良くないね?

さてここからが本題です。

もうね〜〜〜〜〜なんっっっにも良くないんだよね。

 

演劇に限らず何かのイベントをやる時は、基本的にお客さんがチケットを買って、その場に来てもらって初めて完成するものだと思います。スタッフも役者も「観てもらう・楽しんでもらうため」に毎日必死こいて頑張ってる筈です。しかし今回の件では、「当日券の周知」という一点においては、明らかなアナウンス不足のせいで危うく1人のお客さんを取りこぼすところでした。(まぁ私が先に紛らわしい情報を広めたのもよくなかったけど、そもそもの話として!)

そして問題はこれだけではありません。

 

似たような形で当日券に辿り着けない人がもっと居るんじゃないの?

 

というか絶対居るはずなんですよ。イマイチ可視化されてないだけで。2.5演劇の原作ファンというのは大半が観劇初心者で、中には2.5どころか、観劇経験自体がゼロという方も珍しくありません。作品に興味があったとしても実際に行こうとする人はぐんと減るし、観劇経験の無い人ほど「どうせもう買えないだろう」と思い込んで特に調べもしない、ということはよくあります。そういう人達が、それでも「評判が良いから観てみようかな」と言っている。だというのに、チケットの仕組みや買い方が分かりにくいせいで、劇場にたどり着くことが出来ない状態になってしまっている。も……もったいなさすぎる……!!!

 

お客さんが1人来てくれたら、その人はグッズを買ってくれるかもしれないし、役者のファンになるかもしれないし、演劇を好きになってくれるかもしれないのに。その可能性を潰しかけた事例をたまたま見てしまい、こりゃいかんと思ってその日のうちに原作ファンの方々に向けて当日券の案内をツイートしました。スタッフでもねーのによ。

 

なお私自身は本作品の原作ファンでもなければ推しが公演に出ているわけでもない、完全な外野です。原作ファンが大絶賛しているのを、いち観劇ファンとして後方腕組みオタク面で眺めていました。

 

じゃあ何が原因だったか

では実際に、私の作った案内画像をご覧ください。やっつけで用意したやつなので一部正確じゃないところがあるのはゆるして。

こいつなんでノーギャラでこんなことやってるんだろう


もうね〜〜〜誰がチケット買う前に読むんだよこんなところ。あとスクロールさせすぎだろ。買った後ならまだ分かるよ?観劇に行くと決めたタイミングであれば具体的な質問が湧くのは自然なことです。一般発売の案内もさぁ、ここから各プレイガイドに飛んだとして、そこで「販売期間終了」「予定枚数終了」って表示された時、当日券があるかどうかはどこで知れば良いの?ほとんど全員が「よく分かんないな」って思ってウィンドウ閉じて終わりじゃない??とっくに終わった先行情報なんかも別にこんなに幅取らなくていいし。私はwebの専門家じゃないから頓珍漢なこと言ってたらごめんね。百歩譲って「観劇経験の浅い原作ファンはそもそもターゲットじゃない」とか「何らかの事由により当日券をあまり売りたくない」とかならこのページ構成でも良いと思いますけど。

 

何がショックって、私自身がBさんの「Q&Aのここに記載されてます」というリプを見るまで、何の疑問も持ってなかった事です。そうだよね!?普通言わなきゃ分かんないよね!?私は観劇にハマる以前からライブで遠征するようなオタクだったので、こういう仕組みについては自然と学習出来ていて、この日まで本気で気付かなかったんです……「チケットのページには当日券の記載がない」ということに。直前でチケットを買いたくなった人が真っ先に見るページなのに???「チケット」と「当日券」は別の概念(?)ってこと……???

しかしこれはこの作品だけが悪いのではなく、演劇作品のwebサイトではこの構成がほぼデフォルトなんです。大抵の公演サイトの「よくある質問」のページに「当日券について」の記載があります。少なくとも自分が今年観た作品は全てコレでした。

 

じゃあなんでわざわざ「Q&A」に書いてあるの?と考えたら、これはもう本当に日本語が下手くそすぎるんですけど、やっぱり「よく質問されるから」なんでしょう。

いやいやいやいやいや、

 

最初から分かりやすいところに書いてくれてたらこっちも質問しなくて済むんよ??

 

もちろん実際のところは分かりません。ただでさえ演劇業界のチケットの仕組みって分かりにくいし、業界ならではのやんごとない事情がたくさんおありでしょう。公演の規模や客層もそれぞれ違うし、め〜〜〜〜っっちゃ複雑な要素が干渉してるからこそこんな状況になっているに違いありません。よもや「こういう慣習だから」とかいうクソふざけた理由で放置されてるだなんて有り得る筈がありません。

余談ですが先述したTKTS及びカンフェティ(どちらも同じロングランプランニングさんの運営)扱いのチケットについて、本作品のwebサイトには一切記載がありません。まぁ遊園地だって定価のチケットの横で割引チケットを売る訳がないので、窓口を分けておく必要があるんだとは思いますが……この辺は制作会社とプレイガイドの間で通常とは異なる契約があるんでしょうね。知らんけど。

 

私は実際にポスターとかパンフレットとかを作ってる身なので、「どれだけ丁寧に書いても読んでもらえないことはある」というのを、身に沁みて知っています。Twitterは3行しか読まれないし、「押す/引く」と書かれたコメダ珈琲の扉は、必ず逆のことをやる奴が出るのが人間というものです。この記事だって、ろくに読まずにご意見(笑)してくる輩は確実に出るでしょう。

 

でも、私のツイートごときでチケットが売れるとは微塵も思ってないですけど、少なくともこの表記の仕方はめちゃくちゃ不親切だと思う。

 


実例があった

この世に救いはないもんかとインターネットを彷徨い続けn分が経過した頃、やっと理想的なチケットページに辿り着けました。まずはこちらをご覧ください。

当日券販売について | 舞台『ブルーロック』4th STAGE 公式サイト

 

そして本作品のチケットページがこちら。

 

舞台『ブルーロック』4th STAGE チケット案内ページ

ちゃんと!チケット代のすぐ下に!!当日券のリンクが貼られている!!!

客都合によるチケットのキャンセルというのは有り得ないので、プレイガイドで前日まで売っていた一般発売の分を引き揚げ、「キャンセル待ち」という呼称で当日券に回したのかな?と推測できます。これなら制作側は事前に人数を把握できて、現地で抽選する必要もないですね。NEWSのページやSNSなどを見ていなくても、ここだけで「当日券があること」が一目瞭然なのが良い。また、この申し込みをしなくとも当日現地にてキャンセル待ちの列に並ぶことは可能のようでした。

 

特典類の情報で全体が嵩張りすぎている印象はありますが、まぁ本稿に関係ないのでそれは置いておくとして。web上で先着受付(事前に整理券配るみたいなもん)という体裁だからこうなってるんでしょうけど、見つけた瞬間「ぜんぶこれがいい・・・」と思いました。ぜんぶこれがいいよ〜〜〜〜!!!!きっと私の探し方が悪いだけで他にもいっぱいあると思うんだけど、良い事例を知っている方はよかったらコメントに残しといてもろて。ちなみに同じ制作会社でも、別の作品ではやっぱり「Q&A/よくある質問」を見るしかなかったので、都度変わるっぽいです。

 

これ以外だとやっぱりホスピタリティの鬼、業界屈指の親切設計でお馴染み(?)の劇団四季さんのページは本当に素晴らしい。

劇団四季 | 公式サイト


スマホだと画面の上のど真ん中とかいう絶対見逃さないところに「当日券」の文字。す……好き!!!もはや褒めるとかじゃない!!!!好きです!!!!


当日券ページに進むと各地方へのアンカーリンク、会場ごとの席種別売り切れ情報にすぐ辿り着ける設計です。ただでさえ席種も豊富で座席単位で選ばせてくれるだけあって、細やかな気配りを感じます。もちろんこれ自体は資本の規模や知名度が成せる技でしょうが、これだけ優秀だからこそ人気がある、とも言えます。

 

顧客の立場に立ってないよね

もうこれに尽きると思う。結局。なーーーーーんも考えてないよね。売る気ないんだよねどっからどう見ても。じゃあもう私が手伝う必要もないか?これまでオタクたちが「これ面白い!もっと色んな人に観て欲しい!」と思って、軽率に追いチケしたりグッズ買ったり口コミで伸ばすべく伏せったーで喚きまくったり公式タグ使ったりリツイートしてきたけど、全部無駄か?そっか。じゃあカテコで役者に「よかったらお友達も誘ってください」だの絶対に言わせるんじゃねえよバカタレ。

 

……とまでは言ってないけども、流石にちょっとマズいと思ったのか、本作品のSNSではアナウンスを強化してくださいました。あの〜〜〜できれば私みたいな厄介オタクが暴れる前にやってくれる???うんまぁそうだね私がもう東京公演が2日しか残ってないタイミングで気付いたのが悪いねそれは本当にそう。遅くなっちゃってごめんね〜〜!いうてまぁアナウンスが強化された後でも当日券は抽選になっていないようだったので、実際のところほとんど効果はなかったように思います。

 

ただ、今回は効果がなかったとしても原作ファンの人達は「円盤を出して欲しい」「続編を作って欲しい」と思ってるわけで、それに応える為には制作側が1枚でも多くチケットを売って、グッズを売って、作品を届ける姿勢を見せ続けるべきだと思います。だってね〜ただでさえ赤字垂れ流してるところにわざわざコストかけて円盤作るとこなんてまず無いわけで。じゃあちょっとでも黒字に近付けてくれよって話。……それともやっぱり、応えるつもりがない……ってことかな〜……???

 

他にも見切れ席なのに定価で売る話とか後出し特典商法の話とか公式抱き合わせ販売の話とか有効座席数が書いてあるクソ箱の話とか、ヘイトの溜まる要素はいっぱいありますけどね。ファンの気持ちや役者の努力を台無しにしてるのって、やっぱり制作会社自身なんじゃない?と思ってしまう出来事でした。

 

 

まさかの反応をもらう

とまぁこんな感じで1人でウダウダしてところに、こんなリプをいただきました。なんと現役の舞台制作スタッフさんです。

学びになったなら何よりです


こんな超超めんどくさいオタクに直接話しかけて御社のSNS運用ガイドラインとかは問題ないですか……?とか思わなくはないのですが、劇団員の皆様も結構フレンドリーに絡んでくださるスタンスのところなので、一旦よしとしましょう。……本当に問題なかったですかね?????あたしゃ知らんからね?????

まぁ私もまともに気にした事なかったし、中の人たち的にも当たり前すぎて気付けない部分だったんでしょう。流石に直接お礼言われるとは思わなかったけど。次回作以降がどのような表記になるのかチェックしたいと思います。

 

この際なのでついでに言っとくけど、アンケート用2次元コードや円盤の予約情報をロビーに掲示してるとこあるけど、終演後に客でごった返してたらまず壁自体が見えないです。ペラ1枚を掲示するだけで告知出来てると思ったら大間違いですよ。どうせあとでSNSで告知するとしても、まずは最低でもA3で出力して、せめて目線より上に貼ろうな!!!

そんでもって観劇初心者が多く見込める場合は、観劇マナーの一覧表を作って周知するのが当たり前になってほしい。客席のマナーが悪すぎたらリピチケ買おうだなんて誰も思わねえのよ。この辺のアナウンスをファン任せにしてるとこ、多すぎません??

 

 

総括:ちゃんと客の顔を見て売れ

 

まだ全然書けるけどこの辺で終わっておきます。ここまで読んでくださりありがとうございました。次回「シアターHって演劇制作会社の元社長が建てた劇場なのになんでセンブロ後方が死ぬほど観にくいんですか?」の回でお会いしましょう!!(続かないよ〜)

「そこのフォロワー!お前も劇団壱劇屋東京支部を観てみないか!」の回

会場入り口にある「壱劇屋 BABEL」の公演ポスター

珍しく、公演中に感想ブログを書きます。なんとしても、1人でも多く劇場に行ってほしいからです!!(あけすけ)残り金土日!!渋谷でやってます!!1番安いお席が5,500円でとっても手が出やすいです!!いかがっすか!!配信と円盤は無いです!!あと企画構成的に再演も絶対無理だと思います!!

チケット→ https://www.confetti-web.com/events/10644

公演サイト→ 劇団壱劇屋東京支部 - [12月]BABEL-バベル-

 

ちなみにコレを書いているオタクはSPECTER再演からの繭期なので、そのつもりで読んでね。

 


【一応ちゃんと紹介しておくぜ】

ふわっとしたネタバレを入れつつ自分なりに紹介してみます。

「階段世界シリーズ最終章」と銘打っている本作。

世界は階段状になっており、1段ずつがお互い干渉せずに存在している。各世界の住人たちはそれぞれ行き来できないが、”考察官”という特殊な立場の者達だけは自由に行き来することができる。考察官達は1段ごとに特徴の異なる各世界で起きた出来事を考察し、「私設考察団体 ビューロ」なる組織のメンバーとして、報告書を上げるのが仕事。

過去作において「1段ごとの各世界」のストーリーを展開し、本作では「そもそも階段世界とは何なのか?」といった世界の核心に迫る・・・というストーリー。考察官同士の三つ巴を軸に、過去作のヴィランがパワーアップして襲撃してきたり、既存キャラがコンプレックスを乗り越えて成長してみせるなど、盛りに盛った休憩無し2時間45分の大ボリューム。また、エンディングが3種類存在していて、キャラごとに結末の異なる未来が用意されている(はず)(まだ”オベライラ”しか観れていません!)

考察官には1人ずつ「ジョスという名の補佐官」が割り当てられており、バディ物としての旨味もあります。超絶ざっくりいうと「比較的穏便な殴り合いで済ませるタイプの聖杯戦争(from 型月)」みたいなかんじかな〜。普段は「ワードレス×殺陣」という台詞なしの上演形態ですが、今回は台詞ありのお芝居です。いささかハードル高めではあるんですが、オタクなら初見でも齧り付いていける内容かと思います。


【ちょっと大変なところ】

・情報量が多い
最終章というだけあって情報量が圧倒的に多く、劇中にて「報告書を読み上げる」という体裁で過去作のおさらいが都度入ります。こういう山盛りの脚本自体は大好物なんですが、慣れていても溺れそうなレベルでした。知らん人たちの知らん話が混ざるので、ちょっとややこいんですね。また独特なタイトルや世界独自の固有名詞で構成されているため、情報が拾いづらい上に、かなり駆け足の説明になっていて気疲れもしました・・・これは企画主旨上仕方ないことなので、シリーズ物の宿命と思って割り切る必要があります。私は「二対一(についひとつ)」だけ観ていて、そこで出演していた竹村ダズリ&山本ジョスのバディに再会できて嬉しかったです。
1つ1つのエピソードはちゃんと魅力的なので、気になる過去作があれば物販で上演台本を手に入れることが可能です。

 

・長尺なのに休憩がない
これが1番きつい。シブゲキの椅子は幅にも足元にも比較的余裕があり、座面も背もたれもふかふかタイプなんですが、それでもしんどいです。こちとら運動不足の中年オタクなのでお尻の耐久値がとってもクソ雑魚でございます・・・せめて10分の休憩があったらと思いました。前述のように山盛りの脚本であるが故に、やりたいことを全部消化しつつ、スケジュールや箱の事情などを鑑みるとこうなってしまうのは分かります。が、長尺すぎるせいで流石に軽率なリピはしづらいです。休憩ありならマチソワ出来たかな・・・・せめて暗転をいつもより増やしてくれてたらマシだったかも。

 

・メイン組の掘り下げがもうちょい欲しい
これはもう単なるオタクの我儘だと思って欲しいのですが、各バディには過去作でのエピソードがある前提で上演されているのに対し、初出キャラである松井ププ&納谷ジョスのエピソードは回想がメインで、ほぼ実演されません。回想の中身自体がかなり重要なトピックにも関わらず、大部分は台詞で説明して終わりなので、やや説得力に欠ける印象でした。まぁこれだけ詰め込んだら仕方ないよねという気もしますが。あんま言うとアレがアレするんですけど・・・もーーーーーちょっとだけ丁寧に見せてもらえたら嬉しかったです。

 

【めちゃくちゃ良かったところ】

・殺陣の大盤振る舞い
正直これだけで全然お釣りが来ます!毎回熱量のある殺陣を楽しみにしていますが、脚本に負けないぐらい殺陣も盛りだくさんでした!また、得物の種類が沢山あってたまりません。普通の日本刀に始まり、短剣2本、錫杖、大剣、マスケット銃、金属バット、弓、盾・・・もちろん格闘戦もございます❤️ 特に弓がねえ〜〜〜めちゃくちゃかっこいいんだ。4本同時撃ちとか後方からの超長距離撃ちとか・・・!キャストが客席通路をドカドカと捌けていくので迫力もあり、バトル物としての満足度は毎回ピカイチです。アクションシーンが多すぎると疲れてしまうことがありますが、壱劇屋さんは何故かそうならないのです・・・演出の緩急の相性が良いのかな〜。

 

・各バディ全員好きになっちゃう
もうねー!好きになっちゃうよねー!!!!良いキャラしかおらん!!!!!ジョスがみんなかわいくってさー!!!!!考察官含めて全員癖強なんだけど、それぞれにしっかりとした絆があり、関係性の見せ方がとっても素敵です。安心して「あ〜〜〜ハイハイおたくが大好きなやつね!!(主語デカ)」となります。いやほんまに。オタクが信じるオタクを信じろ(突然の天元突破)

 

・西分さん
名指しです。モン・クイーン・ベルベット役、西分綾香さん。なんと真っ赤なピンヒールを履きながら錫杖をぶん回し、舞台上を駆け巡っておられます。えピンヒールだよねあれ??????え??????キャラとしてはとにかく口が悪くてクッッッソかっけえ姉御タイプなんですが、人情味あふれる一面もあり、終盤の戦闘においてもその説得力が表れています。考察官ではありつつ、きっと他人を助けずにはいられないタイプなんだと思うけど、あたい・・・オベライラが初見でほんとよかった・・・!元々宣伝を担当していたり前説などで拝見する機会が多い劇団員でしたが、今作で更に好きになりました。なんでBOOK出れないんすかぁ・・・すえおじに呼ばれてる?そっかぁ・・・・関係ないけど壱劇屋版TRUMPでは絶対にソフィウルをやってほしいと思っているので、なんかこう、エイヤー!って叶ってくれると嬉しいです。

 

・1人だけ激重感情を垂れ流してるやつ
名指しならぬ名伏せです。書けるかァ!!流石にドネタバレじゃァ!何とは申し上げられないのですが、感謝だけお伝えできればと思います。竹村先生ありがとう〜〜〜!!!!!好きな役者が好きな得物で好きな殺陣をやり、ついでにでっかい矢印が容赦なくくっついてきています。観たら大体わかります。私を助けると思って(?)観てください。

 


あんまり踏み込むとオタクの自我が強めに出てしまいます(まだリミッターを外していない・・・だと・・・!?)ので、一旦この辺で勘弁してください。ていうか2エンドまだ観てないから頓珍漢なこと言ってたらごめんね・・・・でも絶対めちゃくちゃおもろいから!みんなで元気なチャンバラを浴びて年を越そう!!!

ブックサンタ2025に参加した

師走・・・師走ってなんがつ・・・?12月?え???

 

今年もサンタになりました!!!ブックサンタ2年目です。

9月早々に野良サンタとしてのお仕事を完遂したのですが結局辛抱(?)できず、追いサンタしてきた。というわけで今年は「大人も知らない みのまわりの謎大全/ネルノダイスキ」と、「ぴよぴよとことこ/accototo」の2冊です!!

「大人も知らない〜」は島で平積みされてて、立ち読みしたら読み応えがすごくよくて・・・!装丁も可愛かったし、短期間で重版かかってるみたいで人気ありそうだった。「ぴよぴよとことこ」は0歳〜2歳向けが足りてないよというアナウンスがあったので。知育系の絵本なら、対象年齢よりちょっと上の子でも発達段階に合わせて遊んでもらえたりしそうでいいなと思う。

今回は意識的に、一年以内に出版された新刊を選んでみました。図書館とかでも借りにくいですからね・・・人気作なら尚更だと思うし。

 

不足しがちな本はアナウンスされてるので、迷ってる人は参考にしてください。

 

去年、「店頭で気軽に募金できるようになったらいいな」とブログに書いたのだけど、今年は500円のしおりを買うと書店&運営への寄付になるよという企画が追加されていた。これまでは書店→運営への経費は書店側の自腹だったらしい。ひぇ〜。

寄付控除も今年からできるようになってた!!年々バージョンアップが進んでいてすごい。お金持ちのひとは是非利用してください。兎にも角にも運営資金がなさすぎるそうなので、ちょびっとだけど寄付もした✌︎('ω'✌︎ )

 

ハサウェイ読んだしベルトーチカチルドレンもちゃんと読まなきゃ・・・と思いつつまだ積んでいます。すみません。キルケーの魔女公開までには読みます。がんばります。

とかいいつつGジェネの方にハサウェイ実装されてしもうた!!!!ゆっくり回します!!!!(現在160連しました)(放蕩息子め)

初心者向け🔰TRUMPシリーズ解説【2025年版】

本記事は「名前はよく見かけるけど結局よく分からん」というそこの貴方、あるいは一旦ジャングルの奥地へ足を踏み入れたものの「広すぎて意味分かんないっピ・・・」となっている貴方に向けてお送りします。筆者なりに説明しますので、少々長いですがお付き合いください。

 

TRUMPシリーズとは?

2009年上演の演劇作品「ピースピット VOL.10 “TRUMP”」を発端とする作品群。関西小劇場出身の劇作家・末満健一のライフワークとして、演劇を中心に小説・コミカライズ・TVアニメ・YouTube等、様々な媒体で展開。勘違いされやすいですが演劇が一次ソースとなるため、いわゆる「2.5次元」とは異なります。

 

どんなストーリー?

不老不死の吸血種<TRUMP(とらんぷ)>にまつわる伝承と因果、それに翻弄される人々の苦悩や執着を描く。ゴシックファンタジーの世界観にミステリやサスペンスの要素が組み合わさり、作り込んだ脚本とそれを支える演出が見どころ。独自の世界観も相まって悲劇性が強いものの、タイトルごとにテイストの異なる仕上がり*1になっています。

 

・・・それって怖いやつ?

キャラはいっぱい死にます!*2 あと村や森も時々燃やされています。が、演劇の性質上あまりグロテスクな見た目にはなりません。美しい悲劇をお愉しみください。

 

具体的に言うと誰向け?

役者のファンは言わずもがなですが、ヨコオタロウ・奈須きのこ虚淵玄小林靖子作品のファンの皆様は総じて適性が高いです。近年は中華BL読者やTRPG界隈からの参入も顕著。これらに該当した方なら、既になんとなく雰囲気が掴めていると思います。

 

何から見たらいい?

元々は「シリーズ物」として設計されていたわけではなく、大河ドラマのように各タイトルが独立している為*3、基本的にはどこから観てもよいです。観る順番によって脚本の印象がガラリと変わる事も多く、ファンひとりひとりに解釈が存在しています。
あえて推奨する場合は、主に以下のように大別されます。

  1. 上演順で見る
    1作目の「TRUMP」から入る、最もベーシックかつ1番飲み込みやすいルート。丁寧なミスリードや伏線回収に膝を打ちたい人向け。
    上演順リストはこちら(ワタナベ演劇公式サイト)

  2. 作品内の時系列順で見る
    登場キャラクターの前後関係が分かりやすいルート。ただし、場合によって既存タイトルのネタバレが前提になる場合があるので注意。
    時系列順リストはこちら(デリコズ・ナーサリー公式サイト)

  3. 気になるところから見る
    演劇に馴染みがない場合はコミカライズ版「TRUMP」やTVアニメ「デリコズ・ナーサリー」から。好きなキャラがいればそちらを優先して追いかけるのもおすすめです。その場合は拙作の作品相関図(※微ネタバレ注意)を参考にしてください。

    TRUMPシリーズ 作品相関図 - ひさろぐ分館

 

どこで観られる?

映像化されている既存作については、DMM TVまたはU-NEXTで見放題配信をご利用ください。アマプラ・楽天等ではレンタル配信があります。最新作が気になる場合は、いつ配信に入るかは分からないので、是非円盤をお求めください。最新公演の上演に合わせて、不定期ですがYouTubeにて無料上映会「はじめての繭期」が実施される場合もあります。

 

TruthとかReverseとかって何?

1作目「TRUMP」の最大の特徴として、1対になったキャラクターを役者同士が入れ替わって上演する「Truth/Reverseシステム」があります。脚本こそ同じですが、役者によってキャラクターの雰囲気に違いが出て、見比べることでより一層旨味が増す仕様になっています。

youtu.be

基本的にはTruthを便宜上の正史、Reverseを”あったかもしれないifの世界”としています。「何故Reverseするのか?」については……主人公の親友・ウルの”最後の台詞”に注目して観てください。
また、公演によってはTキャストとRキャストを混ぜたMable版、女性キャストだけで構成されたFemale版*4なども存在しています(本編視聴は現状不可能)

www.youtube.com

 

TRUMPっていっぱいあるよね?

演劇の場合、人気のある作品は自社他社問わずに再演される事があり、ファンによっては「どれを最初に観たのか」が違います。そのため、”親にあたるTRUMP”、通称・親ンプと呼び分けることがあります。末満演出版だけで以下の4作があります。再演される度に細部が改訂されていますが、ストーリー自体は全て同じです。

  1. 2009年 ピースピット VOL.10「TRUMP」
    出演:田渕法明、菊池祐太、山浦徹、赤星マサノリ 他

  2. 2012年 ピースピット VOL.16「TRINITY THE TRUMP」
    出演:甲斐健太、宇保允、山浦徹、赤星マサノリ 他

  3. 2013年 Dステ12th「TRUMP」
    出演:西井幸人三津谷亮陳内将山田裕貴

  4. 2015年 NAPPOS UNITED「TRUMP」
    出演:高杉真宙早乙女友貴武田航平陳内将

このほか、2019年にはシリーズ10周年を記念した上演権の無料解放があり、いくつかの劇団で上演されました。

  1. 澤田誠企画「READ to TRUMP~極夜・幻月~」
  2. 演劇ユニットHORIZON 第13回公演「TRUMP」
  3. (劇)ハンマーヘッドシャーク×LUCKUP「TRUMP」
  4. プロジェクトリコロ第一回公演「TRUMP」

ちなみにコミカライズ版はもっぱら「コミンプ」と呼ばれています。

 

よく見かける「繭期」ってなんなのさ?

作中用語で、「人間で言うところの思春期に相当する時期」を指します。が、人間の思春期よりもだいぶ深刻です。繭期になった吸血種は精神が著しく不安定になるという設定があり、その様子がシリーズを追っかけてメンタルがくちゃくちゃになっていくファンと重なることから、シリーズのファンネームとしても浸透しました。
ここまで読んでくれたそこのお前!お前も繭期にならないか。

 

おわりに

なんとな~くの概要は掴めたでしょうか?だいぶカロリー高めの作品群ですが、脚本の面白さ、演出や美術の美しさについては心の底から保証します。筆者はこういうのがお好きな人にもっと届いてほしい、と思ってこれを書いています*5

演劇というメディアは、公演のチケットやグッズ等がきちんと売れない限り、どんなに知名度があっても続けられません。まぁ大抵のエンタメは全てそうなんですが、このシリーズも例外ではないと思います。もし何作か見てみて「イヤこれめっちゃおもろいな?」と思ったら、現地で観劇したり、小説や円盤を(買えるうちに…)買ったり、公式垢をフォローしてくれるとほんと〜〜〜〜〜〜に助かります*6。それが結果的に1ヶ月後、あるいは数年後にやってくる新規ファンの為になります。

出来る範囲で・・・構わないから・・・😌

 

ちなみにですが、来年以降の動きとしては以下のように予告されています。

「春のおわり」はヴァンパイアハンター・春林の物語。ピサロはアニメに登場しているキャラクターです。

また本シリーズとは関係ありませんが、3月渋谷にて劇団壱劇屋東京支部による「BOOK」が上演予定です。初演は2007年。この作品は出演人数が40名規模のため、過去作の中でも特に「再演が難しい」と明言されていました。末満さんの昔の戯曲が再演される事自体が稀なので、ご都合付く方は是非観てほしいです。

 

 

配信はほとんど観ちゃったけどもう少し掘り下げたいよ、という方はこちらの記事も是非参考にしてください。

hisame2501.hatenadiary.jp

 

来年も元気よく楽しんで参りたいと思います💪
それでは皆様、良い繭期を。

*1:ストレートプレイ、ミュージカル、新喜劇からヒャッハーまで取り揃えております。

*2:死なないやつもちゃんとあります

*3:作品年表において1作目の「TRUMP」を±0とし、数千年単位の振り幅があります。

*4:キャラクター名や設定の一部が異なり、独自の雰囲気があります

*5:向いてない人は無理しないでください。たぶん胃もたれする。

*6:こんなに売り込んでいますが筆者は公式とは無関係の一般人です。

⾔式 第3回公演『んもれ』行ってきました

⾔式 第3回公演『んもれ』

東京公演を現地で2回観ただけ&一週間以上経っている為、細部がふにゃふにゃの状態で書いています。作品単体の記事書くのってどれぐらいぶりだ……?基本めんどくさいのと伏せったーに残してあるからこっちでは全然書いてないですね。

公演ポスターのデザインの意図はパンフレットで言及されていました

言式第3回公演「んもれ」お疲れ様でした。1回目が土曜マチネAブロック、2回目は悩みに悩んで大楽の当引きを握りしめてCブロックで観てきました。開幕するまで囲み舞台なの知らなくて(ちゃんと宣伝してました??)、言ってくれたらもっとチケット取ってたのに!てゴロンゴロンしてました。個人的に、囲み舞台に憧れがあったので……言ってよぉお!!!いざ入ってみたらやっぱりたのしかったよ〜〜〜!!!

 

1回目の観劇後、TLに出せない感想を友達にぶつけて……もとい一旦”とある確認”を取ってみたところ、ありがたいことに20分後には「気になりすぎるからチケット買った(※事後報告)」と言ってくれたので、結局ついていくことにしました。「最初に見た景色を上書きするのはもったいないかも」と思って躊躇ってたんだけどね。持つべきはフッ軽のともだちだね。結果的に2回観ておいて良かったなと思います。配信を買ってくれたフォロワーもありがとうね……いつも騒がしくてすまんね……

各回で全て違うデザインの来場特典。こゆの嬉しい!

 



 

 

 

 

ここからネタバレをするよ〜〜〜

 

 

 

 

 

 

 

前述した“とある確認”とは、これのことなんですけど。

直球のネタバレをいきなり投げても怒らない友達です

いえ、あの、決して、そういう性癖があるとかないとかではなく、観たいか観たくないかで言えばどう思う?という感じで聞きたかったんです。信じてください。ちなみに「絶対観たいやつです」と元気のいいお返事をもらいました。だよねえ〜!

 

とはいえオチも大オチな演出のために、宣伝はしたいがネタバレはしたくないという状況に陥り、しかも当日券も余裕で出ている状況だったので、悔しくて独りで転げ回っていました。もったいなさすぎるだろ。

 

今年は推しの20周年や推しの活休予告で忙しく、演劇よりライブがメインの年だったこともあり、「観れて良かった!」というお芝居には出会えていなくて……まさかここにきて、梅津瑞樹先生にひれ伏す羽目になるとは思っていませんでした。本当にありがとうございました。

 

なんていうか久々に「演劇って自由だな」を実感できて、嬉しかった。だってまさか「演劇って物理的に人を埋めていいメディアだったんだ!?」ってなるとは思わなくて。まぁ私の嗜好範囲が狭すぎて今まで出会ってなかっただけかもしれないんですけど……こういう気を衒ったアプローチが可能なのもこのユニットならではで、とっっっても好感が持てます。全体的に大満足の演出だった。いやーめちゃくちゃ良かった……

 

肝心の脚本はというと、実はそんなに刺さっていなくて。

 

男がふたり、あるいはひとり居る。男、あるいは男たちは夢を追い、何者かになりたかった。全体的に抽象的(作中でいうところの「示唆的」)な展開が続き、演劇としての虚妄でもあり、このユニットとしてのメタでもあり、取り止めのないやりとりばかり。時系列も行ったり来たりで、中盤までは物語の輪郭すら掴めないまま、これ何の話なんだ……?と思いながら観ていました。

 

そもそもなんですけど、夢追い人にあんまり共感できない。まず「何者かになりたい」とかいう漠然とした願望が気に食わない。もっと具体的に筋道立てて考えろや!って思う。自分が比較的、希望通りの進路に収まっているというのが1番デカいのかもしれないけど。何かを「成したい」と思ったなら、それが叶うまで徹底的にやるか、自分が納得できるところで区切りをつけるしかない(それが許される状況であれば、の話ね)わけで。私は”何者か”には興味がないし、できる限り自分のままで戦いたい。裏方には裏方にしかない生き方がある。私はそれを美しいと思ってる。

 

話を戻すけど、それだけ自分と全く違う人生を歩んでいる男たちのことは、やっぱり一歩引いたところで観るしかなくて。それこそ第四の壁とか言ったらいいのかな?わ〜苦しんでて大変そう〜がんばれ〜〜みたいな感じ。とはいえアーティストを目指す人ってきっとこうじゃないとダメだよね、的な。でもさぁ……!それだけかけ離れていても、作品に引き込めるだけの芝居と演出が「んもれ」にはあった。

 

円形の舞台、4ブロックに分かれた客席。空中、または足元に雑然と転がっている缶詰。4つの通路に机や椅子などの小道具類。入ってみて、まずこれらの美術にわくわくした。アイテムはシンプルだけど、キャッツの客席に粗大ゴミのセットがあるみたいなアトラクションじみた空間演出って……大好きで……ッ
そういう囲み舞台に気を取られていたので、お盆が回った瞬間は「やられた!」と思った。せっまいキャパで、好きな役者達の密接すぎる二人芝居を観られたっていう満足度もあるけど、近すぎて客席もどこか試されているような感覚があって。良い舞台って、そういう緊張感さえも気持ちいいんですよね。あんなに逼迫した芝居を2m横の席から観られるだなんて!贅沢すぎるよ〜〜!

東京千秋楽ではこの日限定で、ロビーの装飾も追加されていました。よりメルヘンチックに、一方で青白いライトがどこか不穏でもあり……

ロビーや廊下を埋め尽くすようなカラフルな風船たち。

 

直近で「キルバーン」を観てたのもあって、序盤は「この組み合わせで”Equal”*1が観たいな〜」とか思いながら観てたんです。そしたら段々と不穏な空気になっていって、「僕は君だ」とかいうドドド直球の繭期特攻ワードまで出てきてぶん殴られました。これそのものが梅津版Equalなんだ!と悟ってからはもう脳内エレクトリカルパレード(?)状態ですよ。それはそれとして言式版Equalも是非やってほしいです。なんとかなりませんかね?

 

 

Aブロックの端っこと、その席が完全に真正面にくるCブロックの端っこで観られたのもすごく良かった。当たり前だけど、逆サイドから見るとびっくりするぐらい全然違う。2回目で気づいたけど、中央にいたハシモトの台詞と、ウメツのリップシンクが同期していたシーンで、自分の解釈が完全に反転した瞬間も気持ちよかった。時系列が飛び飛びで、都度リプライズが挟まってくる構成なので、あのシーンてここだっけ?もうやったっけ?むしろ本当に在ったシーンだっけ??と大混乱するのも楽しかった。あとは、照明の色やお盆の回転方向も考えながら観てたのに、逆サイドの記憶が混ざるもんだから途中で訳わかんなくなっちゃったり……(@_@)

 

くちゃくちゃになりながら言う「お前みたいに、真面目に働くとしますか!」も、1回目は諦観を滲ませながらもどこかカラッとしていたのに、2回目の大楽では今にも心が壊れてしまいそうな悲痛さがあったり……役者の梅ちゃんてほんと芝居うまいよね……(今更)

 

ことばの数々がとても丁寧なのも、後半にかけてじわじわ効いてくるのがまたたまらなくて。
「蛹が蝶になるのを台無しにすること」と「蛹が死ぬこと」を別々に定義すること。当て擦りのような「"すみません”、な。」という言い回し。「生きていれば何かしら臭うものですよ」ということは、つまり……?

 

ひとつ疑問が浮かんでくると全部疑わしくなってきて、

 

なんで檸檬がトリガーなんだろう?英語でいう欠陥品のこと?

死体が喋るのは回想だからだとして、結局全ては夢の中の話だったの?

そもそも、男は、本当に"ふたり"だった?

 

と、気が付けば、ものすごく芝居にのめり込んでいた。そのくせ、目の前で演じられていることはちゃんと現実なのに、ずっと夢の中にいるような感覚で。お互いの台詞を反復し合うから、境界線がどんどん曖昧になっていって。最後は鮮やかな檸檬の色だけが目に焼き付いていて……なんともこざっぱりした爽快感と、ちょっとの疲労を携えて劇場を後にしました。普段は夢オチって嫌いなんだけど、どんなパターンの捉え方をしてもそれはそれで面白いな、と思えた。多分もっと歳を取ったら別の捉え方になるんだろな〜。

 

正直なところ、「解なし」「或いは、ほら」の2作がオムニバスだったこともあり、あんまり期待してなかったのもある。「普通に美味しいけどなんの味がしたかイマイチ印象に残らない料理だな」くらいに思ってた。今作でようやく期待通り?の、いかにも器用でクレバーな梅津瑞樹らしい、めんどくさくてちょっと鼻につくタイプの味付け(褒めていますよ)が出てきて、嬉しかった。それがよりによって橋本祥平への当て書きだっていうんだもの。噛み応えもあり、たいへん美味でございました!!

結成から3年かけて、「言式というユニット」の基盤がきちっと整備できたように思える公演だった。贔屓目抜きで(うそ、流石にちょっとはある)素晴らしかったです。

 

これからもこの2人のお芝居が観たいなぁ〜〜〜でも次は流石にゲスト呼んだりするのかな……プリミティブな形態のままの方が個人的には嬉しいけど、かといって役者のオタクだけで消費するにはあまりにも……"んもれ"てしまうのがもったいなくて……せめて円盤に残ってくれると嬉しいです何卒よろしくお願いします……

 

「んもれ」より、焼き魚になったマ◯ボウのファンアート。

 

*1:末満健一脚本。私が観たのは2019年元吉演出版と初演の赤星坂口版のみ。

TRUMPシリーズ 作品相関図

はじめての繭期2025もつつがなく(?)終えて、いよいよ新作公演キルバーンの初日が迫ってきましたね〜。今年のはじ繭はTVアニメからのご新規さんと、近年特に顕著なTRPG勢が多く流入してきたように見えました。
何とは言いませんが、ナーサリーからの人たち、大丈夫でしたか?まぁ……何とは言いませんが……

私がこのシリーズにハマったのは、2019年のSPECTER再演からでした。当時は各パンフレットの書き下ろしの他はたしか戯曲本が1冊出ているだけで、情報量としてはそこまで多くなかったので、まだ全然把握しやすかったです。しかし、その後短編集やらアニメやら長編小説やらとみるみるうちに派生していき……という、新規殺しもいいとこな状態になってしまっていたので、作品同士の繋がりを整理した相関図を書きました。

 

TRUMPシリーズ作品相関図(2025年9月現在)

 

各作品へのリンクも用意したので、気になるものがあればこっちの記事を参考にしてください。

hisame2501.hatenadiary.jp

 

単純な年表ならアニメの公式サイトが分かりやすいです。

TRUMPシリーズ時系列年表 | TRUMPシリーズTVアニメ『デリコズ・ナーサリー』公式サイト

上演順が知りたい場合はワタナベ公式サイトのhistoryからどうぞ

TRUMPシリーズ Official Web Site

 

私個人はこういう「分かりにくさ」も愛していますが、それはそれ、これはこれ。性質上、これ自体がどうしてもうっすらとしたネタバレになってしまいますが、その辺はご容赦ください。一応ですが「現状お金を払えば手に届くもの」に限って載せています。短編小説が多すぎて書ききれない、というのもありますが、シンプルに「これオススメです!もう買えませんけどね!」と言われたら私がムカつくからです。直接の友人なら手持ちの円盤や書籍類を押し付けて貸し出していますが、そういったフォローがなくてもある程度楽しめた方が絶対良いと思うので……!星よりは手が届きやすいと思います!!

 

パンフレットや小説はあくまでも公演グッズ扱いなので、一般書店では流通していません。基本的に売り切れ次第終了の為、1人でも多く間に合ってほしいです。たのむ。ほんとに。稀に再販することもあるっちゃあるけど、期待しない方がいいです。フリマアプリで4倍の値段がついてジメジメした気持ちになる前に是非買ってね〜!

 

ついでにTwitterに流してたやつをまとめといたので、なんかこう、各々適宜いい感じにご利用ください。

posfie.com

 

連続ドラマW「フェンス」観た

ここ半年ほどはしゃぎまくっていた宇宙世紀が一区切りついた。ので、慰霊の日も過ぎたタイミングですがようやく連続ドラマW「フェンス」(WOWWOW制作・2023年)を観ました。本土復帰50年(2022年)の沖縄が舞台で、脚本は安定と信頼の野木亜紀子さんです。アマプラ・Huluなどの配信サイトで観られます。全5話!

www.youtube.com

 

キャストも全員超良かったんだけど、特に青木崇高さんの訛りがほぼ完璧で感服しました(Twitterでつねのりって書いちゃった・・・むねたかごめええん!!!!)(殺人分析班シリーズとBORDERが特に好きです)。桜が水戸黄門を引用したくだりが好きだな〜〜私も祖父母と一緒に時代劇見てた世代なのですごく共感出来たんですけど、キーとは育ちが違うことがよく表れているシーンだった。私の実家にはトートーメーもヒヌカンもあるから、基地問題もそれ以外のトピックもほぼ全て「ニュースと自分ちと他人んちで聞いた話題しか出てこねえな」と思いながら観てた。最後におばあが吐露した心情で、これらの問題の起点がいつどこにあるのか、優しい手触りで示していたのもすごく良かった。

唯一「そうですっけ?」と思ったのはPFOSのくだりで、公式発表が2016年でミネラルウォーターのサービスはそれ以前からずっとあるから、周辺市民が水質を気にして流行ったサービスではないはず。その側面がないとは言わないけど、気にしない人は普通に水道水飲んでるんじゃないかな。私が南部育ちなのでピンときてないだけもしれないけど。

とまぁ、このペースでいちいち書いてると1万字超えそうなんでやめときます。テーマはめっちゃ重いけど、演出や映像表現自体はかなりマイルドなので、あまり気負わず、沖縄県民もそうじゃない人も観てほしい仕上がりでした。

ドラマの内容自体はとても良かった。本当に良い出来だったし流石の野木脚本だなぁと思わされた、のだけど。沖縄出身勢としてはやはり色々と考えなきゃいけないこともあるわけで、それをこう、ぐにゃぐにゃとこねくり回す為にも他人の感想を探してたりしたわけですよ。

うーんんん。ぶっちゃけて言いますね?この記事の本題はこっからです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お前らあれか?野木亜紀子の言う事なら耳貸すんか???

ハッとさせられただの今まで考えたことなかっただの、なんなんすか?これまで50年かけて沖縄県民が訴えてきたことは全部全てまるっとどこまでもスルーしてきたってことですか?へえ。そうなんだ。ふうん。

 

まぁね、そりゃそうなんですよ。無視されてたことも当然気付いてたよ。いまは都内に住んでるから、ろくに報道されてないことも知ってるよ。この世の大抵の人間は、日々の生活を平和に過ごすので精一杯だよね。私も野木さんのネームバリューが無かったら、もっともっと後にならないと観てないと思うもの。作家への信頼があるからこそ「ちょっと重たそうなドラマだけど見てみようかな」ってなるわけ。そりゃそう。仕方ない。
例えばもし、脚本家の名前を伏せた状態で、「基地問題やそれに付随した問題を抱えている、沖縄の現状を訴えた社会派ドラマです!」って宣伝されてもね?「へー、基地問題、騒音とか埋め立てとか?なんか大変そうだよね、主演の片方だれ?モデル出身でお芝居初挑戦?WOWOWでやるんだ、ふーん」みたいな反応が限界ですよね。うおおお面白そう!加入して観るぞ!とは多分ならんわけよ。野木さんが書いて、手堅く信頼できる座組があって、芝居の上手い俳優がいて物語としてめちゃくちゃ骨太で歯応えがあって、でもちゃんと分かりやすくて、チャーミングなキャラクターたちが生き生きとして共感できるポイントがたくさんあって、「優秀なエンタメ」として仕立てて、そこでようやく視界に入れてもらえるんだ。そりゃそう。仕方ない。

 

・・・・・・って、思っちゃったんで、一旦不貞寝しました。自分で機嫌を取れてえらい。まぁ、仕方ないわけあるかボケがよ、と思っているからこれを書いてる訳なんですけども。

 

上記のようにひとしきりいじけ、キレ散らかしたのも事実なんですけど、それと同時に「野木さんを力をもってしてもここが今のエンタメの限界なのか」とも思いました。だってドラマ観たら分かるでしょ。話の〆が「これは日本の問題だ」ですよ。

 

 

 

この50年間ずっとそうですけど!?!

 

 

 

具体的に、例えば全面返還させたかったら何が必要なのか、このまま共存するとしたら地位協定のどこを変えればいいのか、みたいな話が観れたら1番良かったんだけど。そこまでの尺はないし、そんな段階じゃないんだもんな。キャラクターたちを通して、現状の問題点を並べて丁寧に説明するのがやっとだし、それだって野木さんの手腕でなければあっさり破綻してしまうよね。色んな立場のキャラがいるから取材も相当大変だったと思うけど、脚色らしいものはほとんど出来てないんじゃないかな。とはいえ政治家の具体名や政党同士の対立とかは流石に出せないし、こんな至極当然の事から言わないといけないなら、これが今のエンタメの意義であり限界だよ。ただしあくまでも現状の、であって、ここをスタートにしていかなきゃいけない。ンまぁ〜〜〜面倒くさいったらない。

 

一応フォローしておくと、このドラマに元気をもらった、寄り添ってもらえたようで嬉しかった、胸のすく思いだった、って感想の沖縄県民のほうが、大多数だと思います。私が無駄に好戦的で頭おかしいだけです。私自身、他人の感想読んじゃって辟易しただけで、ドラマの内容にはマジで文句ないですもん。そもそも沖縄なんて遠すぎて外国みたいなもんだから他人事で当然でしょ。実際に「沖縄ってパスポート要るんでしょ?」とか言われたことあるし。

 

でもさ〜〜〜私みたいな変なオタクが喚き散らかすのだって本邦においては自由だし、こっちがガンガン言ってかないとまた無視されて無かったことにされるじゃんね。それはそれでムカつくので、インターネットのすみっこに放流しておこうと思った次第です。別にあの、ギャラクシー賞に水を差したいわけでもないですほんとです・・・変人が騒いでるなと思ってくれたらそれでいいです・・・どうせ私の話なんか興味ないでしょ。だからこっちも好きにしますよ。こういうこと書くと「言ってることは分かるけど態度が悪い」だの「そんなに喧嘩腰じゃ話を聞いてもらえないよ」みたいなご高説を垂れ流してくるアホが絶対に出てくるんですけど、しにハゴーなのでヤナフリムンはウムクジプットゥルーにしましょうね〜

 

我々ももっと「うるま市の子の事件のあと夜中にウォーキングするのやめた」とか「沖国大にヘリが落ちた時、すぐ近所に知人が住んでてゾッとした」とか「北谷で事故ったら相手がよりによって軍車両で、修理費用は日本人の税金から支払われた」とか「Yナンバーの車とは十分車間距離を取るのは県民の常識」とか「どっかの鳩が"最低でも県外"とかのたまった時にあらゆる場所で分断が起きた」みたいな話もした方がいいのかもしれないけど、聞いてくれる人がどれだけ居るのかな。

ドラマの中では一切触れられてなかったけど、宮古・石垣あたりの「離島勢にとっての沖縄戦」もまっっっっったく違う温度感の話が出てくるはずなので、どっかで知る機会があったらいいですね。

 

作品はマジで良いのでちゃんと褒めたいんだけどなぁ〜〜〜〜もう、こう(こう・・・)なっちゃったので、ここらで終わりにしておきます。作品は悪くない、人類が悪い。