去年知ったのだけど諸々のタイミングが悪く、少額寄付だけで済ませてしまったので、今年はしっかり店頭で吟味してこれだと思う本を贈ることができました。
ブックサンタとは
様々な事情で体験格差を抱える子ども達に向けて、本をプレゼントするチャリティー企画。店頭に行きづらい方や選書に困る場合は、クレカ・銀行口座での寄付やクラファン等も利用できます。
どんな本を選んだか
みんな他人の選書って気にならない???私は気になるので書いておきます(単に人のおすすめが知りたいだけともいう)個人的に気をつけたのは以下の点!
・小さい子向けの絵本は毎年足りてるらしい
・新しめで、貰ってハッピーになるやつがいい
・手薄(と思われる)美術系需要にアプローチしたい
内なる女児の氷雨さんと相談しながら紀伊國屋をぐるぐるした結果、選んだのがこちらの3冊です💁
①「こねこのトト」 くらはしれい/白泉社
選書理由:くらはしさんの飼い猫たちをモデルにした初の自作絵本。とにかく可愛い、本当に可愛い!!元々好きでフォローしているイラストレーターさんなんだけど、ちょっとレトロな雰囲気のタッチ、小さい女の子と猫たちのあるあるなやりとり、どれもめちゃくちゃ癒される。絵本は除外するつもりだったけど画集としても素敵な本だし、猫なら世代問わず惹かれるコンテンツだと思う。推し作家に課金したかっただけとも言う。
②ディズニー・デラックス絵本「アナと雪の女王」 リリー・マーレイ/竹書房
選書理由:なんてったって美本!!上製本・布張り・箔押しの盛りまくりで高級感がある。あと王子様に頼らないストーリーも好き。この「Animated Classics」のシリーズは洋書で出ている同著を再現した装丁なので、日本語で読めるのに海外っぽいテイストの本になっていて綺麗。関係ないけど映画の公開が10年前とかで泡吹いて倒れた。
③「月夜の黒猫事典」ナタリー・セメニーク/グラフィック社
選書理由:美本すぎる挙句に猫ちゃんだったので買わない理由がなかった。表紙がふかふかのクッションになっててェ・・・・小口が三方金になっててェ・・・かわいくってェ・・・・!!こんなん本棚にあったら絶対一生大事にするでしょ!?て思って即決でした。
まぁね、お察しの通りね、完全に「自分が欲しいやつ」の一点突破で選びましたね。なんなら今これ書いてるのも「この本可愛かったから見て・・・」としか思ってないですからね。マジで可愛いから見てくれ。せっかく物理で手に入るなら、持ってるだけでニヤニヤできる本がいいなあって・・・いたいけな少年少女に少しでも装丁オタクのチョイスが刺さればいいなあと思います。
ちょっと興味出た人向け
ブックサンタオンライン書店ではオススメ本がピックアップされてるので、参考にするといいです。見てみると中高生向けは本当に色んなジャンルがあるし(料理本やメイク本もある)、ここから買っても勿論OK。レジで「ブックサンタで」って言うだけでいいし、1冊だけでも全然いい。
私は単純にデカい本屋をぐるぐる見て回るのが楽しいので、今後も店頭で選ぶと思います。美術・音楽関係は手薄になりやすいし「ここから1冊好きなのを選んでね」ってなったときの選択肢がいっぱい増えてくれたら嬉しいな〜〜〜!!図鑑類は大人が買い与えがちだけど、作品集とか写真集とか眺めてるだけで幸せになる事もあるからよぉ・・・オタクみんなで気軽に推し本を布教していこうぜ・・・!
後日談
ブックサンタのことをツイートした後、人の感想読んだりしてあれこれ考えたので書いていく。
友達が便乗してくれた
氷雨っち@hisame2501に触発されて #ブックサンタ 今年初の試み!子供居ないので大人向けか絵本の両極端になりがちなのだがヤングアダルトかつ保護者も楽しめる的なチョイスに。どこかの誰かが読んでくれたら嬉しいなぁ… pic.twitter.com/xdTQXfgQQ5
— ふー (@FUUsolilogueGR) 2024年10月29日
ちょーーーー嬉しい。私も去年何人かの相互がやっているのを見かけて知ったので。誰かの背中を押せたことも嬉しいし、自分の行いを認めてもらえたようにも感じるし。ミステリ好きな友達なので、それらしい選書になっているのも個性が出ていいなぁと思う。
子供の感想を読んだ
本を貰った子の感想や、当日ボランティアでサンタをやった人達の活動報告を一通り読んだ(参加者だけ見れるページがある)。基本的には家庭ごとにヒアリングして、子どもの希望に沿った本がもらえるパターンと、福祉施設などである程度人数を集め、箱にざっと入れた状態で選んでもらうパターンに分かれるらしい。彼らの自主的な選択を支える為にも、幅広いジャンルの本があれば良いなと思った。まぁ迷ったら寄付だけすればいいんだけど、知識や心が豊かになるような本は図書のプロにお任せして、私はやっぱり「私が喜んで飛びつく本」を探したいなぁ。お絵描きやデザインが好きな子の気持ちは、私の方が絶対分かってるから。
結局売り場が肝だと思う
今年は「小学生向けが足りていない」というアナウンスが特に強調されているけど、実際のところ売り場に行ってみると「じゃあどれを買ったらいいの?」となった。書店側も"子供向け"という名目だと絵本をプッシュしがちだと思う。でっかい書店ですらそうなのだから、小さい書店では「ギリギリ絵本だけは置いてる」みたいなことになってそう。この企画は「書店で声をかけるだけでいい」というハードルの低さが最大の強みなので、大抵の人はわざわざ取り寄せたりしない。だから「足りていない」のは単純に「売り場に無いから」になっちゃう。
伝記・図鑑・マナーについて等の『学習』に近いものはたくさんあったんだけど、私が昔読んでた海外ファンタジー系は、ハリポタがギリギリがあるかなって感じ。国内だとシリーズものはいくつかあったけど、1冊だけもらえるというルールだとシリーズものを選ぶわけにはいかないし。
あとスポーツの本、マジで全然ないのな。バスケ関連でいいのがないかなと思って探したけど、詳細なルールについてや入門的なガイドブックはあっても、じゃあ子供が読めるのか?と言われると分からねえ・・・
書店側もきっとうれしいよね
元々読書家な人だけじゃなくて、この企画を知って久々に「帰りに本屋寄ってみるか」って思った社会人も少なくないんじゃないかな。私は私で、ついでに自分の本が欲しくなってしまったのでなかなかの罠だった。POPや帯は電子書籍にはないものだし、「売り場に行く」というだけで相当な価値があると思いました。書店単体の売り上げとしては微々たるものだろうけど、10万冊の児童書がこの数ヶ月で売れるんだと思ったらなかなかの市場規模だと思う。
体験格差とはなにか
単純に「貧困」で括らない、「体験格差」という表現がいいなあと思っている。この場合の体験って、ようは"思い出"ですよね。普段はなかなか遊園地や水族館には行けないけれど、クリスマスというイベントだけでも楽しめたらいいよね、って意味で"思い出"が増えるんだなあと。
それにこの子達にとってはただ本を貰っただけじゃなくて「しんどい時に誰かの善意に触れた」みたいな、この先の人生で「あれは嬉しかったなぁ」と思い出せる出来事が1個増えたわけで。この先、そういう思い出に支えられる瞬間がいつか来るかもしれない。来ないなら来ないでいい。あるいは、「あれは嬉しかったから自分もやってみよう」って思う、本1冊でそういう可能性が生まれたのだ。すごいことだと思う。
運営資金が息してない
たぶんもうリソースは限界に来てて、物流を捌くための資金が圧倒的に足りてない。話逸れるけど、ヘアドネーションとかも「もうやりたくない」ってところまで来てるらしいんですね。材料が集まりすぎて、それを管理するだけで肝心のウィッグの製造が追いつかないとかで。それに目指すべきはウィッグが貰える環境じゃなくてウィッグがなくても他人の目を気にせずに生活できる環境なのだ、って話だそうな。
このまま本だけが増えるとなると、ブックサンタも立ち行かなくなりそうで困るなぁ。かといってあくまでもチャリティなので宣伝を過剰にしすぎるのもな〜〜〜とはなる・・・なるので、私がここで宣伝しておく。オタクのみんなはソシャゲのRT企画だと思って是非ぽちっとしてください。11月22日まで!
pixivが連動しているリツイートキャンペーン↓
\🎅RPで子どもたちに本を贈ろう!🎁/#pixiv小説 子どもチャリティー企画 #ブックサンタ2024
— pixiv (@pixiv) 2024年11月8日
本ポストを1RPにつき5円、チャリティーサンタへ寄付します📚✨
寄付は大変な境遇にいる子どもたちへ本をプレゼントする活動に充てられます。https://t.co/PwyVcKIw6S
⏰11月22日(金)正午まで
小話を書いたらpixivが500円寄付してくれるキャンペーンもある。こっちはクリスマス当日まで。
あとは店頭で気軽に募金できるようになったらいいけど、難しいかな〜。
『あなたも誰かのサンタクロース。』がなるべく良い形で続くように願っています。