ひさろぐ分館

分けて書きたい用

PPVV3の感想を言うけど長すぎるので読まなくていいです(1万2千字ある)

タイトルのままです。とくに整理せずに脳から直接取り出しました!みたいな話をずっとしています。

 

めちゃくちゃ好きな脚本にめちゃくちゃ好きな演出と芝居が乗っかってて最高におもろかった……既存2作もメッッッチャ好きだし、というかPPVV2は感情が語りきれずに爆発してしまうぐらい好きだけど、1本の演劇としての評価ならPPVV3が1番好きかも。

 

※小難しいことを一旦抜きにして、好きなところをダーッと書いてるだけなので本当に無駄に長いです

 

・開演前

まさか劇場でガチで煙草ふかしてくれるとは思わんやん(歓喜) 私個人は割と嫌煙家なんですけど(吸ってる友人達はいつもすごく気を遣ってくれていて感謝🙏)、PPVV2の開幕前のお団子タイムセールやおうどんを一緒に食べてるシーンが大好きだったので、そこが踏襲されてて嬉しかった。こういう煙草のニオイとか、パラライザーを撃った時のウーハーの振動とか、劇場で観れてよかったな!って思える作品に出会えると嬉しくなってしまう。しかし一階席のどこにいてもちゃんとニオイがしたので、煙草一本の影響力てすごいな。。。あのニオイがつらい人もいると思うけど、ゆーてまぁ私は煙草一本よりも横の人の香水や前の人のハンドクリームの方が断然きつかったので人それぞれ。。。

開演を待つ間も、サーチライトのような光が客席をぐるぐるしていたのが印象的だった。本音言うとちょっと光が強いので若干目に痛いが😣でもこういう客席も巻き込んだ造りこそこのシリーズの醍醐味なので好きです。立地的にもだし、劇場の内装も世界観に合ってて没入出来た。東京楽は小雨が降り注いでいて「ああ、雨の廃棄区画だ…」って思っちゃった。相棒と行ったら片方が死ぬやつやぞ。

 

・オープニング

超超超かっこいい。導入パートとOPを両立するのは他ではまだ観たことない……と思う。キャラを全員出しつつ最初の三係出動シーンをまとめちゃうので、本編を休憩無し2時間に収める工夫だと思うんだけど、こんなにぱぱっとやっちゃうのに「今の三係はこんな感じですよ」「裏ではこんな悪そうなやつが何かを画策していますよ」とちゃんと見せててすごい。初見は公演3日目の一階後方下手で、さすがに劇伴と台詞が団子になっちゃって細かい台詞は把握しにくかったんだけど、まぁ何が起きてるかは伝わるしこういうもんかな〜と思ってた。でも前方センブロに座ったら全然聞こえ方が違ったw 私の慣れもあるのかなぁ。ここだけはやや忙しなくてごちゃっとした印象になってしまうけど、その賑やかさがオープニングらしくて良いと思う。時雨の曲が流れた瞬間、ぐわっとテンションが上がるし、九泉晴人の名乗りで終わるのもすごくかっこいい……これは配信でどうなるのか全然予想できないので大楽を楽しみにしてます。多分スイッチャー泣かせだよねww

 

・舞台装置と演出面

明治座は「気合い入れてでっかいお盆を回すぞ〜!」って感じだったけど、今回はそこまで幅が広くない代わりに奥行きも高さも目いっぱい利用したセット。立体的なのは既存作通りだけど、稼働パーツが多い…というかスクリーン・パネル・箱が全部動くので、スライドパズルをより複雑にしたような構造で。これがまためちゃくちゃ良かった〜〜〜すっごい動かすよね!?動き自体は基本的に上下だけ、左右だけ、前後だけなんだけど一個でも手順間違えたら簡単にぶつかるので……危険は勿論だけど、シンプルに管理が大変そうだなーと思いました。

今回は特に暗転が少なく感じたけど、この装置の使い方とお芝居の配置が凄まじく効果的なので、出捌けに必要な尺をかなり圧縮出来てたと思う。実際「お客さんを待たせる時間」がほぼ無かったんじゃないかな〜あれ長すぎると冷めちゃうから……そういう意味で、空間と時間をかなり綿密に練ってある演出だった。動線もとにかくたくさんあって、次のシーンのセッティングや裏通路の動線なんかを全部舞台上で見せながら進行するのに、普通はごちゃごちゃしそうなのに見せ場の邪魔にはなっていないのが面白かった。ゆったり見たいところはちゃんと見せてくれるテンポ感が好き。暗転をあんまり使わないせいもあると思うけど、回想シーンなどでわざと客電を少しだけ点けて明暗差を減らしてたのもすごい工夫だと思う。ほとんどのシーンがシームレスに繋がっていくのに全然ストレスを感じなくて、とにかく見やすかった。照明の多様さだけみてもすごくリッチな作りなので、引きで見てもすごく綺麗。

映像もパワーアップしてた!!スマホとGoProだけでライブカメラは結局何台あったんだ……?「ポケットWi-Fiもオフにしてね」なんてアナウンス、あんまり他所で聞いたことないけど観てみたら納得感ある。キャストが多いとマイクの回線が足りなくなる!(のでオンオフの管理がより複雑になる)とかって聞いた事あるけど、4回見てもドミネーターの変形が完璧だったのは東京千秋楽だけだった気がする。立地的な問題もあるだろうが20日マチネは多分1回も変形しなくて。。。お客さんの協力ありきになっちゃうのがな難しいところだな。普通の劇場ならスマホのジャミングくらい出来るけど、それやると端末類は全部使えないもんね……

俯瞰カメラも位置関係が分かりやすく見た目以上の奥行きが分かって良かったし、LEDパネルやマッピングの表現と合わせて「ホログラムのトラップ」や「監視カメラの映像」など場面ごとに意義の違う使い方が出来てたのも非常にユニーク。立ち位置と同時に、それぞれの思惑が交錯していくのが視覚的に表現されてた。イリュージオが撃たれるシーン以外は多分全てリアルタイムの映像だよね…?「至る所に監視カメラがあって、全てシビュラに見られている」という表現が、作品の世界観そのものを体現してて好き。

元吉演出をがっつり見たのは多分初めてだったので、今後も好きなタイトルや推しの出演作でご縁があるといいなぁ ちょっと色々観てみたくなりました

 

・脚本

ありがとう深見さん ありがとう……ありがとうございました……あの初演からこの話が後出しで出てくるの凄すぎる。よく書けるな!?!?初演のオチとしてはひろきくん的には相討ちだったぽいけど、5年近く経って「嘉納火炉は引鉄を引けなかった」という事実がお出しされて情緒が狂いまくっています。お前ってやつはよお……!!差し伸べた手は取ってもらえなかったけど最期は本望だったろうな……なんで居ないキャラに心乱されなきゃいけないんですか?????

単純に、刑事物として見てもすんごい楽しかった。チームがまとまっていく流れとかは既存作同様なんだけど、潜入捜査が失敗しない(成功体験って大事だよね)とか、あと敵を暴いていく過程とかが明快な構成だったので、その分キャラクターの感情に寄り添いやすかった。敵とかシビュラの思惑とかは最初からほぼ断定出来てたので、ミステリ的な要素は過去イチ薄いけど、その分キャラ描写に集中出来た。あと毎度のことながらドミネーターが使えないシチュエーションを作るのに苦労すると思うんだけど、とりあえず理屈は通してくれるので違和感ないのがすごいな…としみじみ思う。言語学っていう、ロジカルでもついていきやすいテーマだったのも良い。

全体の満足度がすこぶる高い理由に、「3部作として綺麗に終わらせてくれた」というのが1番大きくて。もうね、これ以上ない最期じゃん、これは九泉にとっては「人生に勝った」話だったから。これだけ魅力的なキャラが揃っていても、あくまで「九泉晴人の人生」にフォーカスしていた所も良いジャッジだと思います。他のキャラの掘り下げは最低限に留めつつもちゃんと「何かに殉じて生きた結果」というのがそれぞれ伝わるので、あれで十分だと思う。それだけしっかりと九泉というキャラの見たいところ、知りたいところをちゃんと提示してもらえた気がするな〜〜〜おかげさまで1と2は終わった後劇場の椅子にしばらく沈んで立ち上がれなかった(ガチ)んですが、むしろ今回は清々しく「良い話だったな!!!」となったので、色相は真っ白のまま劇場を出ました。いやー栄養価が高すぎる脚本だった。あの場面で自害を選べる男、そりゃもう好きに決まっている。

エンタメの企画として、一発目が当たったら続編!そのまた次!てなるのは別に不思議な事じゃないけど、ずるずる続く、あるいは"続いてないのに終わってもいない"という状態で放置されるのってやっぱり中途半端で嫌なので。実際綺麗に終わらせるのって大変だと思うし……それをきちんとやってくれた、という点でめちゃくちゃ評価が高い。まぁ別軸でまたスピンオフやるよって言われたら一応観るかもしれないけど(※ちょろいオタク)

毎公演、局長の「胸に刻んでおこう」の一言で「1ミリも覚える気ないじゃん!!」てキレてます。この台詞書けるのが流石だよなぁ……

 

・キャラのこと書く(すごく書く)、鈴木さん・和田さん・菊池さんと皆勤賞の多和田さん以外は多分初めましての役者さんかな 毎度のことだがみんな大好きになってしまう…ッ

 

水落→今回のおバカ枠!私は左利きなので左利きのキャラが好き(※ちょろいオタク)気付いたのは2回目からなんだけどよ。ちゃんと左用のギター🎸で左利きの持ち方してたけど、全然上手くならないのってもしかして右利きのお手本動画とか参考にしてたりしない……??そもそもあの世界にまともな左利きギタリストがどれだけ居るのか説🤔

いの一番に上手のスピーカーを触りに行ったり、終始ちょけてて再編三係の清涼剤だった。この子のおかげで一呼吸付けるシーンの多いことよ。割と最初から海堂もとい和田さんから笑いをもぎ取るかギラギラしていて、どんどん好きになってしまった。もりもり育ってほしい人材(死ぬけど)

スタイルが良いのでロックな装飾も似合ってたけど、殺陣の見栄えがまた良い。足長い奴の蹴り技なんかなんぼあってもいいですからね!なかなか華々しい最期なのも、彼のチャーミングさに対するひとつの評価かな。

 

青蓮寺→今回の文化枠!文化してたね〜(突然のマクロス用語)前作の御子柴くんのエッセンスもありつつ、シビュラ社会のオタクって絶対潜在犯落ちしちゃうよな…と噛み締めてしまった。もっと推しターミネーター話とかしてくれても良かったぞ。そうだね尺がないね。戦闘もあんまり得意じゃないと思うけど、ガッツで見せ場を作るタイプで1番更生の余地があったな(死ぬけど)

小柄で可愛い感じの役者さんだけど、その場で俯瞰で状況を見て「自分が足止め役になったほうがいい」と即断即決出来る賢さがあって、色相さえ良化してれば監視官に採用されてたんじゃないかな……とか、脚本書いたとて実際に映画撮るとしたらどんな座組にしたんだろうなあとか考える余地がいっぱいあるキャラ。

 

馬場ちゃん→馬場ちゃん😭😭😭今回のフィジカル枠!!!だいすき!!!不器用で優しくて繊細な人。なまじ腕っぷしがあるばかりに苦しんだ面がものすごく大きいけれど、自分の思う正義を最期まで貫いたところが好きです(死ぬけど…!)

歌を聞いて不安定になった後の悲しそうな告白や、海堂&鹿取の会話シーンで暗転してる時に水落からコーヒー貰って泣いちゃってるところとか、死ぬ時は監視カメラに向かって仲間にメッセージを残そうとするところとか、いかつい見た目と健気な性格のギャップ萌えがすごいです。死んだあとずっとあの場で待機してるのも大変だと思う……ばばちゃん……マジでずっと横たわってるんだよ……

序盤では暴徒を制圧する時にすんごい雑な動きしかしてない(腕をえいーって振っておわり)のに、敵のレベルに合わせて動きが多彩になってくのもキャラの見せ方としてすごく良かった!戦闘要員だなーってすぐ分かるし、葉原に対峙するときも警棒のストラップをちゃんと腕に通して構えたりしてて、基本に忠実な良い兵士だ……最期に葉原から肩ポンされてたのも元兵士同士にしか分からない交流があったんだろうな。

 

鹿取→つらいよお!!!!!シビュラのモルモットにすらならねえの、逆につらいやつだよお!!!!!全部飲み込んで、それでも海堂を支えることを選んだ人。きっと寂しくて、惨めで、悲しかったのに、それを誰にも分かち合わなかった人。かわいそかわいい枠(さいあくだよ〜)(勿論死ぬよ〜)

最期の「自分を、嫌いにならないで」で毎回ニュアンスが違うので毎回グッときていました……とにかく献身的なんだよね……健気だね……大好きな人があれだけ変わっちゃって、自分の存在も消されて、それでもなお尽くそうとするのはある意味で強烈な依存や執着だと思いますがそれにしたってつらいよお!!挙句そのひと本人に止め刺されるんだからもうさぁ!!多分シリーズで1番報われてないけど、本人的には海堂が過去を取り戻せただけで幸せかもしれない。彼にとっては大切なことだと思うので。境遇としては大城に被るところがある(幼馴染に殺されるので)けど、これはもう深見さんの癖(ヘキ)だと思うことにしました。

一回見たあとだと、何気ないやり取りの中でも繊細なお芝居をなさっていて、その度に胸が締め付けられてしまった。。。ちょっとだけ海堂の反応を期待して「相棒」ってワードを使ったり、無かったことにされるのって…とぽつぽつと零す様子だったり、うっかり「アンタには俺が必要だろ!」って叫んでしまう、そこに垣間見える幼さがすごく良い。地声の1番低いところと賭けに勝ってワイワイやってる時の声の温度差も、キャラクター性の補強になっていて良かった。

 

思えば1と2の執行官達は皆一様に厭世的で「将来の夢」なんて持つこと自体有り得ない、という価値観だったのに対し、再編三係(鹿取以外)はやたら素直な人達だったな。多分そういう雰囲気作りも海堂の手腕で、彼が慕われてる理由だと思う。鹿取以外の3人は刑事としての責任感やプライド、個人としての夢がそれぞれ両立した状態で殉職したので、みんな綺麗に死んだなー!と大変清々しかった。

 

神楽→藤田さん、一応アンサンブル扱いだけどネームドキャラ、それも再編三係メンバーというのは結構な出世?なのでは…??分析官って総じて幸せになれないポジだと思うんですけど(本作そもそも殉職率が高すぎる件)、既婚なんですよね……バックボーンはほぼ分からないなりにちゃんと見せ場もあって良い味出してたな〜〜〜無茶しやがって…😭九泉と関わることで彼なりの勇気を出した結果の電脳戦だった訳だけど、日和って怖気付いて目を背けて生きるより多分ずっと良い。せめて彼が守りたかったものが守られているといいなと思います。期待薄だが。。。

 

仁木→まほろ兄妹のもふもふの方!ニキクラモフって、ほ、本名じゃないんですね…(高橋さんのTwitter参照)きっとサイボーグ化した時に、体も名前もぜんぶ捨てたんだろうなぁ。。。ずーっと意味深なキャラ、というか最初から顔に悪役ですって書いてあるタイプの悪役、正直に申し上げて大好き🫶頭脳派かと思いきや役者さんがめちゃめちゃめちゃめちゃ動けるタイプの方だったのでなおのこと最高だった。重力無いんかワレェ…!妹の為にずっともがき苦しんでる人ですが、守りきれなかったねー……でも仲良く死ねたあたりマシかな〜(死ねない方が圧倒的に辛い脚本も、ある)

水落に対するイジりが日に日にムカつく態度になっていって面白かった。下手にドドドと歩いてくのも、観た限りだと背中にぴったりくっつく・真横からきっちり並走・正面に向き合いながら後退のパターンがあって大変キモかった(褒めてる)です!軽妙な台詞回しの中に明確な悪意が垣間見えるお芝居、好きだな〜。

勿論復讐もあるけど、何より妹が毎日を生きる為に全てを企てていたように見えました。何もしなかったら由良はあっさり壊れちゃってたと思う……妹の苦しみや悲しみを代わってやれるならきっとなんでもしたよね……

 

イリュージオ(由良)→まほろ兄妹のゆらゆらの方!!!かわいい!!!!!かわいい。今回の紅一点枠…だけどもすんごく仕事量があるわね??山本さんはキャスト発表の時に調べて、ミュージカルの出演作が並んでいたのでお歌枠だ!と楽しみにしていたのですが、期待以上に色々やってたな……イリュージオとしての聡明で少し背伸びをした感じ、由良としての等身大の女の子の感じ、母親としての包容力と犯罪を厭わない少しの狂気、朱さまのシルエット担当とそれはもう人材のフル活用で最高だった。演じ分けがすんげえ〜〜!最初に九泉の母親が出た時思わず「アンサンブルにも女性いたっけ?」てなった。腹を刺された時もずっと柔和に笑っていて逆に怖いんよね……自分のしたことを息子が許さないのもきっと分かってたよねカーチャン……終盤は毎回生歌だけど、あのシーンでソロで舞台を彩れるのは役者としては相当楽しいと思う。状況はだいぶ悲惨だけども。その全能感に酔いながら、勝利を確信しながらも林崎に殺されるのは……毎日を繰り返す彼女にとってはひとつの救いであってほしいなぁ……むこうでお兄ちゃんとお母さんと仲良くするんだよ……

曲自体はあんまり北欧要素もないしパッとしねえなとか失礼なこと考えてたんですけど、東京楽から今日まで仕事中ずーっっとこの「恒星」が脳内でぐるぐるしていました。命を燃え上がらせていた……

 

海堂→今回の尊厳破壊枠(さいあくPart2!)いやなんかもう"自我"って名前がそもそもつらい。絶対そうだろうなと思ってはいたけどやっぱりモルモットにされてた……海堂本人が孤児ならその名前って誰がつけたんだろうね?どこまでが本名かすらも分かりませんが……でもモルモットにはされてるけど、本人の所作や性格に荒っぽいところが全然なくてとっても素直で小綺麗なのが印象的。九泉は最初から柄の悪いところが出ていたけど、記憶改竄前の海堂も比較的上品で人望に厚い人だったんじゃないかなぁ。殺陣に関しても流石というか、すごく凛としていて姿勢が美しいので、元々は腕っぷしよりも頭脳で仲間を率いてたタイプに見てる。多分腕っぷし担当は鹿取のほう。

水落とのやり取りになると、何か言う前に既にちょっとだけ笑っちゃってて微笑ましい。厳しくて真面目だけど結構明け透けに笑う人なので、冗談を言い合って再編三係をまとめてきたのがよく分かる。優秀な男なんだよなぁ……

シビュラ的にも「出自や生活は荒れてるけど一定の倫理観や正義感のある人材」を選んで実験してたっぽいので、鹿取が慕っていた海堂という男は、記憶こそ違えど本質的にはあまり変わってなかったんじゃないかな……だといいな、と思う。じゃないと鹿取が可哀想すぎる。孤児なら多分親の顔は知らないはずだけど、むしろエリート育ちでパパママ大好き❤️な記憶を刷り込んだだけであんだけ使い物になるならシビュラくんもラッキー✌️てなりそう。見る目があるね。最悪だよ。

友達の指摘で知ったけど死んだ仲間を1人ずつ頭撫でて回ってるんですね、そういうところなんだよなぁああ………!!(好き)鹿取の時だけ、撫でるんじゃなくて胸元でうずくまって、何かに耐えるように目をぎゅっと瞑って険しい表情をしているのが見えました。うずくまってたら見える訳ないと思うやん?足がなげーから股のスキマから見えるんだよ意味が分からん。目合うかと思ってびっくりしたわ。自分で殺した幼馴染のこと、多分撫でられないんだろうな……その資格がないって自分のこと責めると思う。仲間の死に気付いて、「クソッ!」「うわぁあ!」って叫んでるんだけど、全部オフマイクだし歌に掻き消されてしまうのも物悲しくて良い。モルモットに発言権などないですからね(ひどい)

「終わったら飯でも行こう」って言った瞬間死亡フラグ!!!って思ったけど逆パターンだった、、託されて残される側……

ラストシーンは、強い眼差しで光のある方へ駆け抜けていくのが惚れ惚れするカッコ良さでした。それを笑って見てる九泉との対比もまた良い……きっと唯一の生き残りとして、自分の夢をそのまま遂行するんだろうけど記憶はリセットされちゃうんだろうなぁ。とはいえシビュラってあんなんでも意外と融通効くし一枚岩でもないので、うまく丸め込んで記憶のある状態で嘉納と九泉に託されたものを大事に抱えて生きて欲しい。なんとかなれ〜〜〜ッッッ!!

 

林崎→多和田さん皆勤賞お疲れ様です。前作に引き続き今回も気持ち悪かったです。全力で褒めています本当です。もうあらすじ読んだ時点で「最悪だな…」って思ったけどちゃんと最悪を更新してて良かった。蘭具と光宗の中間の雰囲気をしっかり演じ分けてるのがさすがだな……さすがだなぁ!!!改めて考えると3作出て全部違うキャラなの怖いな!???何この人!!!

海堂と鹿取の会話中、再編三係の様子をじっと観察したり装置の移動を両手で操ったりしててぞわぞわした。怖すぎるので極力じっとしててくれんか?

今回の敵に関してシビュラは一切噛んでないと思われ…るので、「いっけね!デバッグ頑張らなきゃ!」てなってた立場ですけど、対応の仕方が意外と脳筋ですよね。下手に画策するより現場に出て実力行使した方が早かったんだね。

こちらはもう全て分かっている状態なので、最初に下手から出てきた瞬間「うわ〜〜〜」て言いそうになったわ。うわ〜〜〜!白々しい〜〜!!ムカつく〜〜!!冒頭で九泉を黙らせたあと睡眠薬入りのコーヒーをわざと飲むのもムカつく。機械の体なら効かないからね。キーーーーッッッ

ブラックライトで機械の体を表現してるのも新しいチャレンジで面白かった。初見はちょうど前列と被っててあんまり見えなかったので、多ステはオタクの保険だと実感(本来は定価払ったら全席綺麗に見えるべきなんだぞ😡)

 

海堂と九泉を相手にしながら派手にやり合うのに台詞が一切乱れないので、たわちゃんはなに…?もしかして水樹奈々なの…?(アリーナの端から端を全力疾走で歌っても息が乱れない人、の意)とずっと怖かった。おそろしいこ。でも一回だけ蘭具の姿で出てきてちょっと嬉しくなってしまったので悔しい。台詞は最悪ですけどね。関係ないけど蘭具の姿って攻殻SSSの男素子に似てるなーとずっと思ってる。

 

シリーズとしての一貫性を担保する上で、ある意味主演の鈴木拡樹さん以上に重要な人だと思うので、無事に出てくれて嬉しいなぁ。文ステでも映像で観てたけど、身のこなしが軽やかで手足が長くて、強キャラですよっていう説得力がすごいです。前作で機構トラブル回に当たった時も、その怖すぎるポテンシャルで動線のフォローをしてて本当に凄かったので……あと同じ顔なのに蘭具とも光宗とも笑い方が全然違うのがキモいよお(褒めています)今回は多分ちゃんと瞬きしてる…?かな…?なるべく人間らしい振る舞いをしてたから多分そう。前作はマジで瞬きしてないので怖かったです。みんな是非円盤で確認してくれよな。

もしスピンオフ企画としてppvvが続くとしたら多和田さん主演で新しい地獄を展開してほしい。

 

九泉→刑事物における相棒殺しには特別な栄養があるって昔から言われてますけどみんなはどうですか?私は大大大好きです。初演は相討ちかなと思ってたのに……そうこれこそ死ねない方が圧倒的に辛い脚本……ッ!しかもその辛さ、相棒を殺した後悔すらも一方的に奪われて。人権が1秒もない。本当に散々な目にしか遭っていないのに、最期まで一貫してシビュラの掲げる「最大多数の最大幸福」だけは信じ続けて死んでいったのがすごい。あそこで自害を選ぶ男、好きすぎる……シビュラのこと許さないって言ったのはあくまで自分に対する事だけだよね……私はアニメの頃から「シビュラってクソだな!!」って思ってるのでもしかしたら1番共感出来ないキャラかもしれない。そこが好きなんですけど。

記憶の混濁の中で嘉納を撃ったあと「ごめん」って謝るのが毎回ちっぽけで独りぼっちで、愛しいなあと思って観てた。普段なら「すまない」って言いそうなのに、これは九泉本人の、誰にも言えない時にだけ出る真っ直ぐな言葉選びだなぁと。記憶の中の嘉納は九泉の罪悪感そのものなので、まるで責め立てるように話しかけてくるけど、過去を取り戻していくにつれて段々そうじゃないって分かるのがいい……あと経過と共に糸の束のようなマッピングがだんだん解けていくのも綺麗だった〜!旧三係の映像を使うのに色々と(……)難儀した部分もあったと思いますが、あの仲間たちは九泉にとっても大切な人達だし、それを繋ぐのが蘭具もとい林崎の役目でもあり、グロさと切なさが同居してたな……

「犬で上等!」の台詞がまた出てくるあたり、過程で記憶をどれだけ奪われても最終的に人格は初演の時から全然変わらないっていうのが分かりやすいですね。

24日に観た時は、無抵抗の人間を殴る時にそれはもう愉しそうに声をあげる芝居に変わってました。公演序盤は険しい顔で殴ってるだけで笑ってはいなかった……日に日に色相が悪化してるようなので大阪はどうなってしまうんだろう。

母親を刺す瞬間は、ぞっとするぐらい無の表情のときもあれば苦しそうに眉を顰めている時もあって、色相も結構違ってるぽい。でも嫌悪感とかじゃなくてひたすらに困惑してるのは変わらないかも。私だったら目の前の生き物の悍ましさに吐きそうになると思うけどそういう感じじゃないんだよね……あくまで母親のことが大好きなんだなって分かる。それまで母親の築いてきた"生活"に思い至った時、人身売買の上に胡座をかいて育った自分を許せなくてどうしようもなくなっちゃって、だから刺すんだよね。他に方法がない。もっと他責思考だったなら「俺はなにもしてない、悪くない」って開き直れるのに、そうじゃないからシビュラに見初められちゃった。かわいそう。

初演では何の罪もない母親を処分したことに苛まれて、それが疑似記憶だと分かって「そんなクソエリートじゃなくてよかった〜!」ってなるのに、実際には母親は犯罪者だし自分で滅多刺しにしてるんだもんな。よくこんな話書けますね……??(褒めています)

記憶が無くて色相はクリアになるってことは、九泉本人の行動原理にはちゃんと一貫した正義があって、それをシビュラは評価してるってことだよね。捜査能力も含めて、九泉本人の努力はちゃんと本来の形で実っていたと思う。記憶がないことを除けばそれ以外は全部実力……と言えるのであれば、シビュラの玩具にならなかった未来があったら色相良化もワンチャンあったのでは……?って考えるんだけど、無い話をすると辛くなるのでやめます。

でも記憶がなくても「報いなきゃいけない」ってどこかで感じてるのもいじらしいよなーーー笑い合っていた仲間たちに恥じないよう在りたい、生き残った側としてその責任を全うしたい。そういうニュアンスだった気がする。根っこのところに清廉とした魂を感じる。

とはいえ初演からヤンキーみのありすぎる喧嘩殺法が好きすぎるんですが、海堂との連携で、アイコンタクト→リボルバー受け取って発砲の流れもめっちゃ良い。あれはもうシンプルにかっこいい〜!!多分仁木の遺した銃だろうけど、古い道具で最新のシビュラに歯向かう構図もすごく良い。

最期に海堂に向かって「了解!」って朗らかに笑うのが、シリーズ通して初めて見る満面の笑みなのもずるい。これから死ぬやつの顔として百億点あげたい。ラストシーンでシビュラを外側から眺めたあと笑って去っていく姿に、ようやく開放されたんだなぁという感慨が湧いてじんわり終われたのも良い。

海堂との問答の間に主題歌のアレンジがかかってるのも好きなんだけど劇伴売ってくれないでしょうか………なんとかならんか……????

どれだけシビュラに振り回されても、その中で彼なりの正解を叩き出して満足出来た人生だと思うので、観劇後にものすごく爽快な気分でした。いやー良い話だった。終盤の林崎戦も激アツなんだけど、毎回とんでもない量の汗をかいてるのにカテコではなんでもない顔で出てくるのでちょっと怖いです。すずきひろきくんはほんとうににんげんですか???

 

記憶を改竄された九泉と海堂は、確かにスタート地点は偽りだったかもしれないけど、それ以降は本人の性格や正義感に則って行動した結果だと思うので、実験としては大成功なんだろうな……2人ともちゃんとチームをまとめたり推理する能力があるし、実際に3作とも多大な犠牲は払いつつも一応テロ自体は解決出来ているし。

このPPVVという企画自体を"実験"として、今後他の媒体に「人工監視官育成計画」の一端が見えるような展開があったらおもろいですね。

 

じゃあ最後に嘉納火炉の話するか。します。

 

自分の幼馴染には「俺を殺してくれ」と頼んでおきながらその幼馴染を手にかけたくせに、もがいて手を伸ばしても断られた相手には大人しく殺されてしまう男、嘉納火炉。ずるすぎる。全部好きすぎて映像出演ですらめちゃくちゃにされてしまう。すきです。。。3年以上振りに見ても全然好きだわ。どうしてくれる?

明治座に通った思い出を美化しすぎてないかな、と思った事もありましたが全くそんな事なく、音声が流れるたびに「ウワッッッ好き………」と心が乱れて大変でした。勿論和田琢磨さんのお顔も好きなんですけど……あの「僕は善い人ですよ」って書いてある顔で卑劣な事してるのがその……だいぶ好きで……その辺は前作で一度揉みくちゃにされたので今回は平気かと思ってたんだけど全然無理で…………正直悔しい…………割と序盤から出てくるしでっかい顔が視界いっぱい埋まるし供給過多でしぬかと思った。

九泉晴人の人生が決着したことで、嘉納火炉が何を見てこの人に手を伸ばしたのかがちょっと分かった気がする。九泉は母親を殺して、自分の罪を知って、その上で自分を許さない事を選択できる人で。嘉納はNNDの一件で振り切れてしまったから、九泉と出会った時点ではもうとっくに戻れないところに居て(情報として知ってたのは疑似記憶を植え付けられてるっていう実験内容だけだったと思うけど)

多分、眩かったよなぁ。手を伸ばすのを止められないほどに。あの時手を取ってくれない事は分かってたと思うけど、そういう人だから託せた。だから引き金を引かなかった。

そういう過程が目に浮かぶようで腑に落ちたというか……逆に九泉にとっても、「信頼してた仲間の裏切り」という以上のものが多分あって、記憶が無くても罪悪感だけがこびりついてたんだと思うと、私が感じてたよりずっと『相棒』だったんだな。いまは2人とも同じ地獄を歩んでればいいと思う。

海堂の指導官だったのはどの時期なんだろう~~~どのタイミングだったかによってはこの……人たらしによるやらかし度合いが変わってくると言いますか……!今後も私の中では一生掘り下げてほしいけど絶対見たくないキャラNo.1かもしれない。ていうかオフショットが出るたびに情緒がくちゃくちゃのティッシュみたいになるキャラにはもう出会いたくない。でも深見脚本の男→男の関係値は正直もっと啜りたいです。

 

 

 

あとは配信見て円盤ポチって凌ぐだけの余生を送りたいと思います。