ひさろぐ分館

分けて書きたい用

「演劇業界の皆さんへ 君たちは本当に当日券を売るつもりがありますか?」の回

タイトルが全てです。
以下、仔細についてネチネチと文句を言っていきます。

 

何があったかといいますと

原作ファン(Aさん)「みんなが絶賛しているのでチケットを買いに来たけど、目の前で売り切れてしまった🥲」

 

先日、2.5演劇作品についてこんな類のツイートを見かけました。その作品は初日からとても盛り上がっていて、特に原作ファンからの「観て良かった」「原作へのリスペクトがすごく伝わった」という評価で、TLが連日賑わっていました。

 

ツイートしていた方は演劇はおろか、ライブなどにもあまり縁がないタイプで、チケットの買い方がよく分かっていないご様子。見かねた演劇ファンのBさんが、善意で「公式サイトのここに当日券の記載がありますよ、まだ観れるチャンスはあります」と丁寧に教えてくれていました。

しかしながらその時既に公演3時間前、Bさんのリプに対して質問があったようで、Aさんは慌てている様子。一方、BさんはいつどのタイミングでTwitterを見てるのかちょっと分からない。逡巡の後、私の方から横入りで「当日券でよければ劇場の窓口で買えます!(超要約)」と補足しておきました。

 

というのも、Aさんが買おうとしていたのは、正規ルートで割引チケットが手に入るTKTSの取り扱い分であり、劇場で買える一般的な当日券とは別のチケットでした。これは格安な代わりに取り扱い枚数が少ない為、公演日当日の朝というタイミングでは売り切れていることが多いものです。このチケット情報は数日前に「観劇を検討している人の後押しになれば」と思い、Twitter上で私が広めたものでした。要は「当日券の仕組みを知らない人が、真っ先にTKTSのチケットをアテにしてしまったため、危うく観劇予定がパァになりかけた」という状況でした。そうですつまり半分くらいは私のせいです!!マジでごめん!!!!!

 

結局はご友人が運良くチケットを余らせていたとのことで、当日券窓口に並ばずとも無事にご観劇なさっていました。良かった良かった。

 

 

なんにも良くないね?

さてここからが本題です。

もうね〜〜〜〜〜なんっっっにも良くないんだよね。

 

演劇に限らず何かのイベントをやる時は、基本的にお客さんがチケットを買って、その場に来てもらって初めて完成するものだと思います。スタッフも役者も「観てもらう・楽しんでもらうため」に毎日必死こいて頑張ってる筈です。しかし今回の件では、「当日券の周知」という一点においては、明らかなアナウンス不足のせいで危うく1人のお客さんを取りこぼすところでした。(まぁ私が先に紛らわしい情報を広めたのもよくなかったけど、そもそもの話として!)

そして問題はこれだけではありません。

 

似たような形で当日券に辿り着けない人がもっと居るんじゃないの?

 

というか絶対居るはずなんですよ。イマイチ可視化されてないだけで。2.5演劇の原作ファンというのは大半が観劇初心者で、中には2.5どころか、観劇経験自体がゼロという方も珍しくありません。作品に興味があったとしても実際に行こうとする人はぐんと減るし、観劇経験の無い人ほど「どうせもう買えないだろう」と思い込んで特に調べもしない、ということはよくあります。そういう人達が、それでも「評判が良いから観てみようかな」と言っている。だというのに、チケットの仕組みや買い方が分かりにくいせいで、劇場にたどり着くことが出来ない状態になってしまっている。も……もったいなさすぎる……!!!

 

お客さんが1人来てくれたら、その人はグッズを買ってくれるかもしれないし、役者のファンになるかもしれないし、演劇を好きになってくれるかもしれないのに。その可能性を潰しかけた事例をたまたま見てしまい、こりゃいかんと思ってその日のうちに原作ファンの方々に向けて当日券の案内をツイートしました。スタッフでもねーのによ。

 

なお私自身は本作品の原作ファンでもなければ推しが公演に出ているわけでもない、完全な外野です。原作ファンが大絶賛しているのを、いち観劇ファンとして後方腕組みオタク面で眺めていました。

 

じゃあ何が原因だったか

では実際に、私の作った案内画像をご覧ください。やっつけで用意したやつなので一部正確じゃないところがあるのはゆるして。

こいつなんでノーギャラでこんなことやってるんだろう


もうね〜〜〜誰がチケット買う前に読むんだよこんなところ。あとスクロールさせすぎだろ。買った後ならまだ分かるよ?観劇に行くと決めたタイミングであれば具体的な質問が湧くのは自然なことです。一般発売の案内もさぁ、ここから各プレイガイドに飛んだとして、そこで「販売期間終了」「予定枚数終了」って表示された時、当日券があるかどうかはどこで知れば良いの?ほとんど全員が「よく分かんないな」って思ってウィンドウ閉じて終わりじゃない??とっくに終わった先行情報なんかも別にこんなに幅取らなくていいし。私はwebの専門家じゃないから頓珍漢なこと言ってたらごめんね。百歩譲って「観劇経験の浅い原作ファンはそもそもターゲットじゃない」とか「何らかの事由により当日券をあまり売りたくない」とかならこのページ構成でも良いと思いますけど。

 

何がショックって、私自身がBさんの「Q&Aのここに記載されてます」というリプを見るまで、何の疑問も持ってなかった事です。そうだよね!?普通言わなきゃ分かんないよね!?私は観劇にハマる以前からライブで遠征するようなオタクだったので、こういう仕組みについては自然と学習出来ていて、この日まで本気で気付かなかったんです……「チケットのページには当日券の記載がない」ということに。直前でチケットを買いたくなった人が真っ先に見るページなのに???「チケット」と「当日券」は別の概念(?)ってこと……???

しかしこれはこの作品だけが悪いのではなく、演劇作品のwebサイトではこの構成がほぼデフォルトなんです。大抵の公演サイトの「よくある質問」のページに「当日券について」の記載があります。少なくとも自分が今年観た作品は全てコレでした。

 

じゃあなんでわざわざ「Q&A」に書いてあるの?と考えたら、これはもう本当に日本語が下手くそすぎるんですけど、やっぱり「よく質問されるから」なんでしょう。

いやいやいやいやいや、

 

最初から分かりやすいところに書いてくれてたらこっちも質問しなくて済むんよ??

 

もちろん実際のところは分かりません。ただでさえ演劇業界のチケットの仕組みって分かりにくいし、業界ならではのやんごとない事情がたくさんおありでしょう。公演の規模や客層もそれぞれ違うし、め〜〜〜〜っっちゃ複雑な要素が干渉してるからこそこんな状況になっているに違いありません。よもや「こういう慣習だから」とかいうクソふざけた理由で放置されてるだなんて有り得る筈がありません。

余談ですが先述したTKTS及びカンフェティ(どちらも同じロングランプランニングさんの運営)扱いのチケットについて、本作品のwebサイトには一切記載がありません。まぁ遊園地だって定価のチケットの横で割引チケットを売る訳がないので、窓口を分けておく必要があるんだとは思いますが……この辺は制作会社とプレイガイドの間で通常とは異なる契約があるんでしょうね。知らんけど。

 

私は実際にポスターとかパンフレットとかを作ってる身なので、「どれだけ丁寧に書いても読んでもらえないことはある」というのを、身に沁みて知っています。Twitterは3行しか読まれないし、「押す/引く」と書かれたコメダ珈琲の扉は、必ず逆のことをやる奴が出るのが人間というものです。この記事だって、ろくに読まずにご意見(笑)してくる輩は確実に出るでしょう。

 

でも、私のツイートごときでチケットが売れるとは微塵も思ってないですけど、少なくともこの表記の仕方はめちゃくちゃ不親切だと思う。

 


実例があった

この世に救いはないもんかとインターネットを彷徨い続けn分が経過した頃、やっと理想的なチケットページに辿り着けました。まずはこちらをご覧ください。

当日券販売について | 舞台『ブルーロック』4th STAGE 公式サイト

 

そして本作品のチケットページがこちら。

 

舞台『ブルーロック』4th STAGE チケット案内ページ

ちゃんと!チケット代のすぐ下に!!当日券のリンクが貼られている!!!

客都合によるチケットのキャンセルというのは有り得ないので、プレイガイドで前日まで売っていた一般発売の分を引き揚げ、「キャンセル待ち」という呼称で当日券に回したのかな?と推測できます。これなら制作側は事前に人数を把握できて、現地で抽選する必要もないですね。NEWSのページやSNSなどを見ていなくても、ここだけで「当日券があること」が一目瞭然なのが良い。また、この申し込みをしなくとも当日現地にてキャンセル待ちの列に並ぶことは可能のようでした。

 

特典類の情報で全体が嵩張りすぎている印象はありますが、まぁ本稿に関係ないのでそれは置いておくとして。web上で先着受付(事前に整理券配るみたいなもん)という体裁だからこうなってるんでしょうけど、見つけた瞬間「ぜんぶこれがいい・・・」と思いました。ぜんぶこれがいいよ〜〜〜〜!!!!きっと私の探し方が悪いだけで他にもいっぱいあると思うんだけど、良い事例を知っている方はよかったらコメントに残しといてもろて。ちなみに同じ制作会社でも、別の作品ではやっぱり「Q&A/よくある質問」を見るしかなかったので、都度変わるっぽいです。

 

これ以外だとやっぱりホスピタリティの鬼、業界屈指の親切設計でお馴染み(?)の劇団四季さんのページは本当に素晴らしい。

劇団四季 | 公式サイト


スマホだと画面の上のど真ん中とかいう絶対見逃さないところに「当日券」の文字。す……好き!!!もはや褒めるとかじゃない!!!!好きです!!!!


当日券ページに進むと各地方へのアンカーリンク、会場ごとの席種別売り切れ情報にすぐ辿り着ける設計です。ただでさえ席種も豊富で座席単位で選ばせてくれるだけあって、細やかな気配りを感じます。もちろんこれ自体は資本の規模や知名度が成せる技でしょうが、これだけ優秀だからこそ人気がある、とも言えます。

 

顧客の立場に立ってないよね

もうこれに尽きると思う。結局。なーーーーーんも考えてないよね。売る気ないんだよねどっからどう見ても。じゃあもう私が手伝う必要もないか?これまでオタクたちが「これ面白い!もっと色んな人に観て欲しい!」と思って、軽率に追いチケしたりグッズ買ったり口コミで伸ばすべく伏せったーで喚きまくったり公式タグ使ったりリツイートしてきたけど、全部無駄か?そっか。じゃあカテコで役者に「よかったらお友達も誘ってください」だの絶対に言わせるんじゃねえよバカタレ。

 

……とまでは言ってないけども、流石にちょっとマズいと思ったのか、本作品のSNSではアナウンスを強化してくださいました。あの〜〜〜できれば私みたいな厄介オタクが暴れる前にやってくれる???うんまぁそうだね私がもう東京公演が2日しか残ってないタイミングで気付いたのが悪いねそれは本当にそう。遅くなっちゃってごめんね〜〜!いうてまぁアナウンスが強化された後でも当日券は抽選になっていないようだったので、実際のところほとんど効果はなかったように思います。

 

ただ、今回は効果がなかったとしても原作ファンの人達は「円盤を出して欲しい」「続編を作って欲しい」と思ってるわけで、それに応える為には制作側が1枚でも多くチケットを売って、グッズを売って、作品を届ける姿勢を見せ続けるべきだと思います。だってね〜ただでさえ赤字垂れ流してるところにわざわざコストかけて円盤作るとこなんてまず無いわけで。じゃあちょっとでも黒字に近付けてくれよって話。……それともやっぱり、応えるつもりがない……ってことかな〜……???

 

他にも見切れ席なのに定価で売る話とか後出し特典商法の話とか公式抱き合わせ販売の話とか有効座席数が書いてあるクソ箱の話とか、ヘイトの溜まる要素はいっぱいありますけどね。ファンの気持ちや役者の努力を台無しにしてるのって、やっぱり制作会社自身なんじゃない?と思ってしまう出来事でした。

 

 

まさかの反応をもらう

とまぁこんな感じで1人でウダウダしてところに、こんなリプをいただきました。なんと現役の舞台制作スタッフさんです。

学びになったなら何よりです


こんな超超めんどくさいオタクに直接話しかけて御社のSNS運用ガイドラインとかは問題ないですか……?とか思わなくはないのですが、劇団員の皆様も結構フレンドリーに絡んでくださるスタンスのところなので、一旦よしとしましょう。……本当に問題なかったですかね?????あたしゃ知らんからね?????

まぁ私もまともに気にした事なかったし、中の人たち的にも当たり前すぎて気付けない部分だったんでしょう。流石に直接お礼言われるとは思わなかったけど。次回作以降がどのような表記になるのかチェックしたいと思います。

 

この際なのでついでに言っとくけど、アンケート用2次元コードや円盤の予約情報をロビーに掲示してるとこあるけど、終演後に客でごった返してたらまず壁自体が見えないです。ペラ1枚を掲示するだけで告知出来てると思ったら大間違いですよ。どうせあとでSNSで告知するとしても、まずは最低でもA3で出力して、せめて目線より上に貼ろうな!!!

そんでもって観劇初心者が多く見込める場合は、観劇マナーの一覧表を作って周知するのが当たり前になってほしい。客席のマナーが悪すぎたらリピチケ買おうだなんて誰も思わねえのよ。この辺のアナウンスをファン任せにしてるとこ、多すぎません??

 

 

総括:ちゃんと客の顔を見て売れ

 

まだ全然書けるけどこの辺で終わっておきます。ここまで読んでくださりありがとうございました。次回「シアターHって演劇制作会社の元社長が建てた劇場なのになんでセンブロ後方が死ぬほど観にくいんですか?」の回でお会いしましょう!!(続かないよ〜)